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先生、あなたは前世で恋人だった  作者: じゃがマヨ
魂が流れ着く場所
1/1

第1話



 私は前世の記憶を持っている、と言うと、へんに聞こえるかもしれない。


 いや、そもそも「前世」っていう概念が世の中に存在してるっていうこと自体、一般的じゃないかも。


 友達に自分の秘密を打ち明けてみたことがあったんだけど、なんていうか、その…


 頭にツノが生えている理由。


 ニョキっと生えた八重歯。


 そういうのは「見た目」の問題だって、周囲には誤魔化してきた。


 誤魔化す理由も、隠す必要もないんだけどさ?


 子供の頃、両親は病院に行って、私のツノであったり尖った耳についてを調べてくれていた。


 だって見るからに周りの子供と違うし、おまけに、目の色は紅い。


 医者は何か遺伝的なものかもしれません、として、体に障害があるとか、健康上に問題があることはないとした上で、「原因不明」という説明を下していた。


 そう、私以外、今、この世の中で、私が「鬼」の子孫であるということを知るものはいない。


 もっとも、それが“奇妙”なものであるということは、自分自身に何度も言い聞かせてはきたのだが。

 


 人間の子供なのに、「鬼」の子孫っていうのも変な話でしょ?


 話すと長いんだけど、「鬼」っていうのは人間と同じ血筋であって、遺伝科学的には人間も鬼も同じルーツを辿ることができる。


 人から鬼が生まれるっていうのは、全然おかしな話じゃない。


 そもそも「人間」っていう存在自体が、独立したカテゴリーの中にいるわけじゃなくて、あくまで私たちの祖先から枝分かれした遺伝子的なゲノム情報が、今の人たちの姿形を作っているだけ(勉強不足でごめん…)。


 数百年も前には鬼は人里離れた場所で暮らしていたし、昔話や歴史の教科書などの伝記にも、その“存在”を示唆するものがいくつも書き記されている。


 ただ、今となっては鬼の数も減少し、かつて存在した狼人間なども含め、“絶滅危惧種”として世の中から姿を消そうとしていた。


 私はまだ、今の世の中で他の鬼を見たことはない。


 多分、どこかにはいるんだと思う。


 だけど、きっとかなり希少な存在になってるんだろうな…


 私でさえ、“赤い瞳の女子高生”ってことで、全国ネットで取り上げられたくらいの物珍しさだったわけだし。

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