2話
あれからすぐ王都にたどり着いた。
思っていたより近い場所だったようだ。
王都には既に龍族はおらず俺が連れていた大隊が生存者の救出を行っていた。
一角に一般住民と兵士、龍人の死体が山のように積み上げられている、まだ腐ってはいない。
俺は副隊長のカズナリを探して状況を聞く。
「おいカズナリ戻ったぞ」
「生きてたのか、炎龍に追われていったから死んだかと思ったよ」
「状況を教えてくれ」
「俺等は撤退後すぐに王都に戻った、既に龍も龍人も撤退していた、おそらく前線に戻ったのだろう」
「俺も救出を手伝おう」
「頼む」
「今確認できてる生存者は?」
「一人」
「誰だ」
「王国軍の戦士長だ、地下の牢獄で大量の龍人の死体と一緒に倒れていた、今は意識が無い」
「インヴィクタスか意外と詰めが甘い奴らだな、戦士長を生かしておくとは」
「ホッグこれからどうする」
「今回の襲撃で人類軍は指揮系統を失った、おそらく前線にいる兵士は混乱状態になり前線が崩壊するかもしれない」
「でどうする」
「俺等も敵の指令塔を叩く」
「前線のバックアップはしないのか?前線が崩壊したら状況は更に悪化する」
「指令塔を叩く道中敵の補給も断つ、敵地に潜入するにあたって少数精鋭の部隊を組みたい」
「わかった他国に要請するしばらく待て」
数日後カズナリと共に王都を出た、二人で。
他の国に要請した人員達は前線にいるとのことで前線に一時趣合流するとのことだ。
「ホッグずっと気になってたことがあるんだけど」
「なんだ」
「お前そんな体デカくて子ども残せるのか?」
「どういう意味だ」
「だってお前みたいに体がでかいと挿れられる女がいないんじゃないのか」
「...」
「それとも猪獣人のメスはみんなお前みたいのが入るくらいバカでかいのか?」
「確かに考えても見なかった」
「まじかよ、それでも本当に男かよ」
「ゔ〜」
「お前のが入りそうなのは...オーガっとか、うん」
「...」
「ま、まあそんな落ち込むなよ探せば何処かにいるさお前のその腰にぶら下げてる三本目の大剣とヤリ会えるやつがさ」
「お前からこの話題を始めておいて慰めるな」
「そういやほら龍人は体がでかいやつばかりで容姿も悪くない、まあ子どもができるかはわからんけどな」
「どういう意味だ」
「ほら遺伝子がかなり離れてると思うから、豚と龍じゃ天地の差だろ?」
「もうこの話はやめろ」
馬で1ヶ月近く走ってやっと前線基地まで着くことができた。
ということで早速カズナリが要請した人員に会うことにする。
近くのテントにいるとのことで中に入る。
俺はカズナリに対して果てしない呆れを感じた。
「エルフの女がいるじゃねえか!しかも美人な姉ちゃんだ!」
するとそのエルフが口を開いた。
「なに?そんなに騒いで、女を見るのは初めて?」
「馬鹿にするな、猪族にもメスぐらいいる」
「そうだったのね、私には見分けがつかなくてわからなかったわ」
「お前らエルフだって似たような顔をしてるだろ、エルフの男は女のような顔をしているからな、女々しい奴らだ」
「ごめん、メンバーに女性が居るって言ってなかったっけ」
カズナリが喋りだした。
「その子はエルフの国から要請したレンジャー職兼バックアップ担当のアナノイア、彼女程のレンジャーはそういない少数精鋭で行くならもってこいの人材だ」
「気持ちよさそうな名前だな」
「勇者様は随分と下品なんですね」アナノイアが呆れた口調で言う。
「なんで女がいるのか説明しろカズナリ」
「今回要請した人員は必要最低限だ、一人でもかければ任務の遂行は不可能この任務が失敗はホッグお前の死を意味するそしてお前が死ねば戦争に負ける、つまり一人失った時点で詰みその一人がたとえ女で敵の戦力を上げる結果になろうが関係ないということだ」
「ゔーん、たしかにな」
「納得してくれたかな、じゃあメンバーの紹介をさせてくれ」
その後続いた紹介はこんな感じだ。
1人目、さっき紹介があったエルフのレンジャー、名前はアナノイア女、仕事は情報収集、バフ、回復魔法も使えるらしく後衛としての役割がある。
2人目、ドワーフの鍛冶師、名前はトールヴァル男、仕事は言うまでもないが一応。
武具の修理、作成を行う、爆発物系も作れるらしい。
3人目、人間の調合師、名前はノグチエイシ男、こいつもカズナリと同じで東の国から来たらしい名前は何だったか倭国とか言ったか、その国の字でエイシはメスという字が入っているらしい。
カズナリが女みたいななめだと言っていた。
仕事は俺の回復薬の調合、俺の回復薬消費量的に出来合いの物を持っていくのは非合理だということで連れて行くらしい。
他にも食べ物も現地で調達する必要があるということで彼は飲食の不可がわかるらしい。
4人目、人間の戦闘員名前はカズナリ、戦う、強い、人体改造前は勝てたこと無い、人形の敵を相手するのが得意、大きい敵は苦手、扱う技がテクニカル。
5人目、俺、勇者。