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第47話「ユーグ同様、私も一生ロジェ様について行きます!!」

……ロジェは無事、依頼された馬車荷便の代役を務め、王都へ帰還。

クライアントである郵便省へ集配した郵便、小包を、

A、B、Cの3商会へ集荷した荷物を届け、依頼を遂行。


そして冒険者ギルドへ赴き、結果報告を行い、

残金である金貨50枚をクリスから受け取った。


アメリー達に結構な数のおみやげは購入したものの、宿泊費はかからなかったし、

賊退治の懸賞金もあったので、現在の所持金は金貨280枚にもなった。


これで金欠からは完全に脱出。


余裕をもって暮らして行く事が出来るし、いろいろと買い物も出来る。


ギルドを出て、意気揚々と白鳥亭へ戻るロジェ。


「ただいま戻りましたあ!」


無事に元気良く戻って来たロジェを見て、


アメリー、オルタンス、バベットが「わあ!」と歓声を上げる。


そしてアメリーは嬉しさのあまり感極まったのか、脱兎の如くダッシュ。


転がるような勢いで走って来て、がっしとロジェへ抱き着く。


「ロジェ様あ! 寂しかったああ!!」


「おわあ!」


いつものつつましく控えめなアメリーとは思えぬ大胆なアクション。


一騎当千、百戦錬磨なロジェも驚き戸惑ってしまった。


「すっごく! 心配したんですよお!」


「そ、そう?」


「そうですよお! 仕事でロジェ様が行かれた町や村って、最近は賊や魔物が出て、本当に物騒なんですから!」


「ああ、そうみたいだね」


アメリーの言う通り、

賊30名、オークキング以下3,000体のオークにそれぞれ襲撃された。

両方とも問題なく、対処したが。


まあ、アメリーが心配するから、詳しく言う必要はないだろう。


「でも、大丈夫。大した事はなかったよ。ほら、この通り無事だから」


ロジェがそう言うと、顔を上げたアメリー。

まじまじと、ロジェの全身を見て、


「良かったああ!!」


と喜んで、ロジェの胸に顔をうずめ、すりすり。


そんなアメリーが愛おしく微笑んだロジェが尋ねる。


「アメリーさんの方はどうだった?」


ここで、とことことこと、黒猫に擬態したファザーガッドのナタンが近づいて来た。


そして「にゃあん」とひと声鳴く。


「うふふふ♡ 私も大丈夫でした。何回かナンパされかけましたけど、ナタンちゃんが寄って来る男を、しゃあ!と威嚇して守ってくれましたわ」


……ナタンは、ロジェの命令を忠実に守ったようだ。


ロジェは、アメリーを抱いたまま、念話でナタンへ話しかける。


『ナタン、お疲れさん! しっかりと仕事をしてくれたようだな?』


『はいっ! ロジェ様! ナンパ男など、アメリー様には指一本触れさせませんでした』


ナタンは、まっすぐにロジェを見てそう言うと、

誇らしげに「にゃあ」と鳴いたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

安堵して上機嫌になったアメリー、そしてオルタンス、バベットへ、

ロジェは買って来たおみやげを渡す事にした。


時間はお昼だったが、白鳥亭では基本的にランチを出さない。

なので、現在、食堂は無人である。


ロジェはアメリーに抱き着かれたまま、


「アメリーさん、オルタンスさん、バベットさん。仕事先でおみやげを買って来ました。結構な量なので、食堂でお渡ししたいのですが」


そう言うと、3人は「わあ!」と嬉しそうに声を発した。


……という事で4人は食堂へ。


ロジェは収納の魔道具から、買って来た大量のおみやげをテーブル上へ出した。


3人は再び、「わあ!」と歓声を発する。


オルタンスとバベットは、


「ロジェ様、お気遣いいただきありがとうございます」

「本当にありがとうございます」


と礼を言い、早速おみやげのチェックに入った。


一方、アメリーも相変わらずロジェへ抱き着いたまま、


「ロジェ様! ありがとうございます! 嬉しいですけど、ロジェ様が無事戻って来たのが一番のおみやげですわ」


……何と喜ばしい事を言う子だろうと、ロジェは大大感激。

比べたくはないが、外道なマルスリーヌ王女とは、超が付く大違いだ。


ロジェも素直に本音を告げる。


「アメリーさんの事を思って仕事が頑張れた。買って来たのは基本食べ物だけど、皆さんに聞いていた好みに合わせて選んだんだ。お母さん達と見てくれないか」


そんなロジェの言葉を聞き、「はいっ!」とアメリーは元気良く答え、

素直にロジェから離れた。


たたたと小走りに、オルタンス達のもとへ。


アメリーの後姿を見て、ロジェは念話で再びナタンへと話しかける。


最後に赴いた町でやりとりした彼の配下ユーグの事を、

大いに気にかけていると思ったからだ。


『ナタン、ユーグには会ったぞ』


『は、はい! お忙しい中、ロジェ様にはお手数をおかけしました!』


『うむ、安心しろ。ユーグは無事だ。お前に命じられた通り町の一般猫をしっかり束ねていたよ』


『そ、そうですか! あいつ本当に生意気だったでしょう?』


ナタンは自分の事を棚に上げて言うが、ロジェは少し苦笑し、


『いやいや、お前の配下だけあってたいした奴だ』


そうほめると、ナタンは訝しげになる。


『たいした奴……と、おっしゃいますと?』


『ああ、ユーグはな、逃げず、身を挺して、一般猫を守ろうとしたんだよ』


『ど、どういう事でしょう? 詳しくお話ししていただけますか?』


ユーグの話を聞いたナタンは、詳細を知りたがったので、ロジェは話してやる。


町をオークキング以下3,000体のオークどもが襲おうとしていた事。


襲ってくれば人間もろとも一般猫も全滅になる覚悟をしていた事。


しかし、配下となった一般猫を見捨てて逃げたりはしないと、

ユーグが固い決意を見せた事。


しかし、たまたまロジェがオークどもを倒していた事を伝えると、

ユーグは大いに驚いた上で、殊勝な態度を見せ、忠誠を誓った事を教えたのだ。


『そ、そうだったんですか!!』


……話を聞き、とても驚いたナタンではあったが、


『ありがとうございます!! 深く感謝致します!! ユーグ同様、私も一生ロジェ様について行きます!!』


とロジェへ礼を告げ、固く忠誠を誓ったのである。

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