貴方に守られなくても。
「お前のことは俺が守る」
目の前の男は私にこう言った。
婚約者がいるにも関わらず、私に近づいてきて愛を囁く王子様。
ヒロインなら、こんなことを言われたら涙を流して喜ぶのだろう。
そして、王子様は邪魔な婚約者を悪役に仕立て上げて、私たちの愛を永遠のものにするのだ。
誰もが納得のハッピーエンド。
なんて糞みたいなラブストーリーなんでしょう。
王子様は、私を庇護しているように見せかけて、私を支配しようとしている。
私を勝手に弱い人間だと決めつけて、別に誰からも狙われていないのに守るだなんだとほざきやがる。
そもそも、お前が私に近づいてこなければ私は婚約者から嫌がらせをされることもなかった。
お前は私のことが好きなんじゃない。
か弱い私を庇護してる自分が好きなんだ。
一緒に幸せになろう?
ふざけるな。
一緒に地獄に落ちる勇気もないくせに。
「あなたに守ってもらうほど、弱くないから。」
幸せくらい自分で掴めるので、お気になさらず。
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