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小品

魂の切り売り

作者: 星野☆明美

白いモヤがかかった場所に俺はいた。

俺はこれから現世に生まれ変わる。

ゲートに向かっていろんなやつが順番を待っている。

「お前が持っているものはなんだ?」

黒装束で大きなカマを持っている番人が、一人づつ質問をして、過不足を台帳に記載している。

時には持ち物が多すぎると取り上げられるヤツもいた。

「次」

俺の番だった。

「特になにも持ってません」

「では、現世に行ったら、その魂を切り売りして生きてゆくのだぞ」

「そんな生き方しなくちゃいけないんですか?」

ぐい。

カマを突きつけられる。

「誰もが大なり小なりそうやって生きていくのが現世だ。不服ならこの先にはいかせんぞ」

俺は迷った。

「迷っている暇はほとんどないぞ。今お前の母親が陣痛で苦しんでいる。早く決めないと悲惨なことになる」

俺は……。かすかに残っている前世の記憶をたぐり、人生が素晴らしいものだったと思い出した。

「いきます!」

「グッドラック」

おぎゃあおぎゃあ!

誕生おめでとう。きみに幸せが訪れますように!

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