8話 やっぱりこの展開だよね。
冒険者ギルドの裏にある修練場に向かう。
修練場はコロシアムのようになっており、中に入るとスタジアムと観客席がある。
席には先輩冒険者らしき人がちらほらと座っている。
「ナオキさーん!!こちらへどうぞー!!」
向こうからターメリさんが声をかける。
スタジアムに入るとターメリさんとスキンヘッドのゴリマッチョなイケオジが立っていた。
「やぁ、俺がスターティアのギルドマスターのロックだ、よろしく。」
「ナオキ=カサギです、よろしくお願いします。」
「ほぉ、随分と低姿勢だな、冒険者はもっと強気じゃないとイカンぞ!ガハハ!!」
バシバシと背中を叩かれる。やはりマッチョなだけあってかなり痛い。
「ロックさんは伝説のミスリルゴーレムを倒したSランクパーティー【ハードコア】のメンバーだったんですよ!」
「はー、、、だからそこまで美しい筋肉を、、、」
「おお!!この肉体の美しさをわかってくれるか!!最近は細マッチョとかのたまう奴らばかりで霹靂していたのだ!!」
「ハイハイ、いつまでも筋肉自慢してないで始めますよ」
モノリスのようなものを載せたキャスターを引きながら、ターメリさんが呆れたようにロックさんに声をかける。 恐らくいつもの光景なのだろう。
「では、まずこの魔力測定器に触れて、魔力を練り上げて下さい、身体の魔力量を計測します」
モノリスに手を触れ、魔力器官で魔力を練り上げる。 すると、モノリスが様々な色に変化して光り輝く。
「え!?この発光パターンって、、、」
「魔力生成量S +か、、、久しぶりに見たな、、、」
「すごいですナオキさん!魔力量S+は魔王並みの魔力ですよ!!」
観戦席にいた冒険者達がざわめく。
女神様にギフトでもらった魔力器官なのだ、凄まじい魔力生成量なのだろう。
次は、ギルドマスターとの模擬戦だ。いつのまにか戦闘服を着ている。鱗のついた鉄鋼をつけて心臓を守る胸当てがついた、なんというか、世紀末プロレスラーのような格好だ。
「魔力生成量S+とはやるな!!しかし、魔力が多くても使えなければ意味がない、次は俺と模擬戦だ、まぁ怪我させることはしないから思いっきりぶつかってこい!!」
「胸を借りるつもりで行きます!!」
傘のハンドルに手をかける、女神式剣術の本懐を見せてやる。