7話 マーチと冒険者ギルドへ
そんなわけで、マーチの薙刀を回収し、マーチとスターティアの街にやってきた。
スターティアの街は田舎と聞いていたが、爺婆しかいない終わりかけの街というわけではなく、小さな子供がかけっこをして遊んでいたり、商店街にも活気がある。しかしどこか、緩やかな空気が流れるようないい街だ。
そんなことを思いながら、マーチについて行くと、冒険者ギルドに着いた。
看板にデカデカと[スターティア冒険者ギルド]と書いてあり、酒場も併設してるのか、[冒険者酒場]の看板もついている。
「では、中に入りますか」
マーチに言われ、中に入る。
受付に向かい、金髪の受付嬢さんにマーチが声をかける。
「ターメリさん!依頼されていた薬草を持って参りました!」
「あら、マーチちゃんお疲れ様!あら?お隣の方はどちら様?」
「この人はナオキさんです!!イノシシに襲われてた私を助けてくれたんです!!」
マーチは自分の手柄のようにドヤァと胸を張って俺を紹介する。可愛い。
「初めまして、ナオキ=カサギです」
「初めましてナオキさん!私は受付嬢のターメリです!危険度Dのスケベイノシシを倒したということは冒険者の方ですか?」
「いえ、まだ冒険者登録をしてなくて、、、冒険者登録をしに来ました」
「冒険者登録ですね!でしたら冒険者免許試験を受けていただくことになります。」
冒険者免許試験、、、?なんだそれ?
ポカーンとしているとマーチとターメリさんが説明してくれた。
「冒険者免許試験はですね、冒険者になりたい冒険者希望の方に冒険者ギルドが定めた試験をクリアしてもらうことで冒険者免許を発行する制度があるんです、冒険者本人の戦闘力が冒険者に値するかを見られるわけです。」
なるほど、いくら冒険者になりたいからって戦闘力がなかったらすぐに魔物に殺されてしまう、そういうものを見定めるわけか。
「試験は、魔力量を見る魔力量検査とギルドのギルドマスターとの模擬戦闘を行ってもらいます。」
なるほど、思ったよりもガチの試験ぽいな。
「わかりました、よろしくお願いします」
ターメリはふふと笑うと
「では、今から冒険者試験を始めますね、裏手の修練場へ向かって下さい。」
「わかりました」
なんだかワクワクしてきた。