3話 仕込み傘の作成と修行
『傘、、、ですか?』
「はい!傘です!」
『は、はぁ??』
困惑気味な声が返ってくる。確かに、説明もなしに急に傘を所望されたら誰だって困惑する。なので、続けて説明する。
「俺、仕込み傘っていうのに憧れてて、せっかく剣と魔法の異世界に行けるなら仕込み傘を持っていきたいです!」
『なるほど!要は聖剣のような傘が欲しいわけですね!!了解です!設計図を書いて頂ければお作り出来ますよ!!』
「やった!それではこのような形状で、、、」
『.....なるほど!!確かにこれはは変則的な聖剣ですね!これならば1時間もあれば作成できますね!』
仕込み傘の細かいディテールを伝え、女神様も理解していただけたようだ。やっぱり仕込み傘は漢の浪漫だね。
『それでは作成している間に直樹さんが今から行く世界についてに細かく説明しますね!』
「よろしくお願いします!」
女神様から詳しく説明を聞くと、どうやら今から行く世界はダンジョンが無数に乱立し、ダンジョンの周辺に都市を形成した世界らしい。
かつて、魔王と呼ばれた世界を掌握しようとし、各地にダンジョンを設置した魔族がいたらしいが、300年前に魔王派ではない魔族と亜人国、王国、帝国から達人を募り、組織した連合国の勇者部隊に倒されたらしい。
その後は至って世界は平和になったが、魔王が残した無数のダンジョンは消滅しなかった。しかし、その世界の住人はダンジョンとの共存方法を見出した。ダンジョンから取れる宝石や素材を売って生計を立てる冒険者という職業が生まれた。 今まで、商人や貴族の護衛、フィールドワークなどのなんでも屋のような仕事しかなく、人数の少なかった冒険者は爆発的に増え、ダンジョン周辺に巨大な都市を形成するに至ったらしい。
「なるほど、基本的にはラスボス倒した後のド○クエみたいな平和な世界なんですね、楽しそう。」
『そうですね!今のところ邪なるものの気配もありませんし、かなりいい世界ですね!』
「あっ、でも、、、」
『どうされました?』
「俺、剣術とか魔法の使い方とかわからないです、、、」
『それなら大丈夫ですよ、一応これでも軍神として崇められてましたし!魔法も使えます!なので、みっちりと教えて差し上げましょう!!』
そう言って女神様は胸を張った。
その後、俺は3年間をかけて剣術と魔法の使い方をレクチャーされた。
めちゃくちゃスパルタだった、、、