第1章 第3話 Fランクダンジョンへ...
ダンジョン作成から2ヶ月後...
今まで来た敵は、ゴブリン9体、グリーンスライム12体、スケルトン13体でこちらの損失はグリーンスライム2体。
最初の部屋に配置していたグリーンスライムがさらに2体死んだ。そのため、最初の部屋にゴブリン2体とスケルトン1体を設置するようにしたらそれ以降モンスターの損失はなくなった。
やっぱりグリーンスライム弱すぎる。
シオ:「〇✕ゲーム全然勝敗つかないじゃん!25486回やって全部引き分けって。」
ヴィオ:「まぁ、〇✕ゲームはそういうもんだろ。どっちもミスしなかったら勝敗つかないし。」
あ、シオのこういう姿も可愛いなぁ。まあ、こんな調子で今日もまったりと遊んでる。2ヶ月も経つとやる遊びもほとんど無くなり非常に暇である。シオが可愛いからいいけど。
そんな感じでダラダラとしてたんだが、急にシオが叫んだ。
シオ:「Fランクの魔物だって!?」
Fランクってことはひとつ上のランクか。ただしダンジョンのモンスターと外の魔物では1ランク弱の差があることを考慮すればほとんど同格と考えていいだろう。
ヴィオ:「ほぼ同格だろ?」
シオ:「同格とはいえども、襲ってきたのはオークなので今までと違う戦いになるだろうね。」
ヴィオ:「どういうことだ?」
シオ:「オークは今までのGランクモンスターと比べると攻撃力が高いのよ。スケルトンやゴブリンたちでさえ数体を損失することになるかもね。」
ヴィオ:「数体を失うのか...」
今までグリーンスライムしか失ってない、いわば順風満帆であった。それゆえ、数体とはいえ失うのが惜しいと思っていた。
シオ:「まあ、幸運と思うべきね。ここまでFランクの魔物に襲われなかったことは。作ったダンジョン初期にFランクの魔物に攻められてすぐダンジョンが消滅することもあるくらいだよ。ダンジョンの加護はダンジョンを守るためのものじゃなくて、ダンジョンが諦めないギリギリに挑ませてより強いダンジョンを作るためにあるからね。」
ダンジョンの加護ってSの人が作ったのかよ。
というか、最初に魔物が来なかったのってほんとにラッキーだったんだな。
雑談している間にオークが最初の部屋に到着した。最初の部屋に配置されてるのはゴブリン2体とスケルトン1体だ。
オークは持っている棍棒をいきなり振り払ってきた。いや、危なすぎだろ。ゴブリンとスケルトンは慌てて回避した。棍棒を振り終わった隙をねらってスケルトンとゴブリンは手に持った武器で殴りに行った。しかし、オークが軽々と棍棒を扱い、すぐに棍棒を振り戻したのでゴブリンとスケルトンは後ろに吹き飛ばされた。
ヴィオ:「え、待って。オーク強すぎでしょ。」
シオ:「だからモンスター数体失うって言ったじゃん。」
いやいや、これモンスター数体失う程度で済まないだろ...。どうやって勝つんだよ...。
シオ:「トラップを配置して!」
ヴィオ:「どうやって?」
シオ:「DPを使ってモンスターを召喚した時と同じ要領で作れるよ!」
ヴィオ:「どのトラップ置けばいいんだ?」
シオ:「飛矢とびやと落とし穴の両方を置いたらどうですか?」
シオの提案したとおりに飛矢とびやと落とし穴を設置した。飛矢とびやが15DP、落とし穴が20DPだったので35DPかかった。
オークには効果抜群だったようで、穴に落ちたオークはゴブリンに棍棒でめったうちにされ、さらにはトラップとして設置した飛矢とびやが突き刺さり絶命した。なんというか、一方的な暴力となっていた。
シオ:「やったじゃん!オーク倒したね!」
ヴィオ:「トラップってすごいね...。というか80DPも入ったみたいだよ。」
シオ:「さすがワンランク上な魔物のことだけあるね。よし、この調子でがんばろう。」
???:「ふっふっふっ、Fランクダンジョンへの昇格条件を満たしたからFランクダンジョンへ昇格じゃ。」
ヴィオ:「今の声は誰なんだ...?」
シオ:「天の声と呼ばれるものだから、誰とかいうことはないはずだよ?それよりも、Fランクに昇格したって!新たなものがDPで買えるようになっているはずだよ!」
ヴィオ:「おお、どれどれ?」
新たに買えるようになったもの
Fランクモンスター:200DP
赤い光:40DP
モンスターガチャ1:150DP (Gランクモンスター30%、Fランクモンスター70%)
所持DP:758
ヴィオ:「赤い光ってなんだ?」
シオ:「世の中で1番ハズレと呼ばれてるトラップですよ。交換しない方がいいですよ。」
ヴィオ:「わかった。ならFランクモンスター3体とモンスターガチャ1を1つ召喚することにするわ。」
召喚されたモンスターFランクモンスターの方からはオーク1体とゴブリンの亜種である、ゴブリンナイトとゴブリンアーチャー。モンスターガチャの方からはFランクモンスターのゴーストが出た。
シオ:「まあまあ当たりじゃないですかね?Fランクモンスターにはブルースライムというグリーンスライムの亜種もいて、そいつはFランクモンスターの中では最弱と呼ばれているくらい弱い。そいつが出なかったので良かったですし、モンスターガチャも無事にFランクモンスターが当たったので良かったですよ。」
ヴィオ:「そうなのか。スライム系は全体的に弱いんだな。とりあえず、1番最初の部屋にオークとゴブリンアーチャーとゴブリンナイトを置いておくよ。これならFランクモンスターが来てもやり返せるだろうしね。あと、落とし穴を1番最初の部屋に置いておこう。より勝率が上がるだろうからね。」
シオ:「DPがないですよ!」
ヴィオ:「うっ、まじか。DPが溜まり次第置くことにしよう。」
どうやら、シオに恥ずかしいところを見せてしまったみたいだ。
所持DP:8