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35/43

35.マイクロファイバーのタオルで体を拭くと激しく違和感を感じてしまう。キュシュキュシュする。

 俺がリズミカルに液晶をタップすると、文字が流れ始める。


 緊張の瞬間だ。




=== === === === === === === === === === === ===


………………簡易入口機能解放確認


必要ポイント数………………


………………確認


楽園時間延長レベル3解放………………


………………確認



待機時間縮小レベル2解放………………


………………確認



簡易収納強化レベル2………………


………………確認


………………簡易入口機能解放


………………解放中


解放中


=== === === === === === === === === === === ===




 瑠璃の背中の液晶に文字が次々に表示され、点滅しては、新たに文字が表示されていく。


 いいね、いいね~!


 やっぱりこの間が、ドキドキ感を膨らましてくれるぜ。


 前回は初めてで、少し不安だったけど、二度目だし、ワクワクしかねえな。さあ! バッチこいや~。



=== === === === === === === === === === === ===


解放中


解放中


解放中


楽園内機能構築


………………………簡易入口機能解放しました


=== === === === === === === === === === === ===




 機能解放後、例の如く、爽やかな風が全身を駆け抜ける。


 天井、左右前後の壁、そして床を確認する。楽園内特殊改造と比べて、部屋に大きな変化は無いな。ということは楽園内に関係する機能じゃあないんだろう。


 俺は『簡易入口機能』の詳細を確認した。機能が解放されたからか、詳細の確認が出来る。




=== === === === === === === === === === === ===


簡易入口機能


楽園へ移動する際に主となる入口以外に別の入口を設置できる


設置した場所は楽園スキル保持者のみ判別可能


設置した簡易入口は12時間で消滅


一度設置した簡易入口は消滅するまでは設置場所の移動不可


生物に見られるていると発動不可


消滅後に再度簡易入口を設置可となる


=== === === === === === === === === === === ===




 うん。まあ、どんな機能かは想像がつくが、実際に試して見ないとイマイチ効果が実感が湧かないな。


 でも、凄そうなのはわかるぞ。


 楽園の外に出たら、一度試して見よう。実際に体験しないとなかなか理解できないタイプなんだよ。ちょい不器用なんだよな。


 まあ、同系統の高ポイントが必要だった、楽園温泉も凄い良かったし、今回もこれだけ手間の掛かった機能だからな。楽しみだ。






 それじゃ、最後の締めとしまして、瑠璃へ感謝を込めて、魔石の贈呈ですな。


 床に瑠璃を降ろして液晶に両手で丁寧に魔石を乗せる。


 気分は賞状を渡す校長先生だ。卒業生代表瑠璃殿~なんてな~。


 黄色の大きな魔石と青色の小さな魔石。


 今回はどんな機能を瑠璃は覚えるのかな。


 ガリガリバリバリゴリゴリ。


 何時ものように聞いていると中々に歯が痛くなる音を立てて魔石を完食する瑠璃。俺は追加された機能を確認しようと瑠璃に手を伸ばすが――――――――――――――――――



 プルプルプルプルプルプル!




 うわぁ!? なんだ?


 突然小刻みに瑠璃が震えだしたのだ。俺は伸ばした手を引っ込める。


 アラーム? 着信? マナーモードか何かか?


 その間もプルプル震えている


 触っていいのか? どうしたらいいんだ?


 腰を浮かしたまま、固まる俺と床で震える瑠璃。だが、すぐに震えが小さくなっていく。


 そして、ピタリと震えが止まる。今度は、ピクリとも動かないぞ。不安になって――――――――――――――あっ、動いた。良かった。


 ゆっくりと近づいてくる。瑠璃を持ち上げ、液晶や裏側を確認する。別に変わった所は無いな。


「だ、大丈夫………なのか?………………る、瑠璃?」


 ………………………………………………………………………………………………《はい》






 る、瑠璃が…………………………………………し、し、喋ったああああ!?





 は!? いかん。あまりの驚きに固まってしまったぜ。深呼吸だ。落ち着け俺。


 も、もしかしたら聞き間違いかもしれないからな。よーし、もう一度確認だ。


 期待に胸膨らませて、俺はビシッと質問する。


 「えっと、あの、さ、その~、瑠璃、話せるようになったの?」



 ………………………………………………………………《微妙》


 微妙か。…………………………微妙? ど、どういうことだ? 微妙ってなんだ? こ、困るぞ。


 困惑する俺を余所にどこか瑠璃は嬉しそうに誇らしげにしている様に見えた。





 1時間後。


「なるほど、なるほど。喋れる単語が決まっているのか」


《はい》


 やっと理解できたぜ。瑠璃が今回覚えたナビゲーターとしての機能は『音声発語レベル1』


 この『音声発語レベル1』は自由に会話ができるわけでは無く、いくつか決まった単語を話せるようだ。


 例えば、『はい・いいえ・どちらでもありません』『ありがとう・ごめんなさい』『おはよう・こんにちは・こんばんは』などだな。まあ、俺が上手く問いかければコミュニケーションは上手く取れるんじゃねえかとは思う。瑠璃は楽しいのか色々と今現在話せる言葉を発音している。ちなみに音声は、ボーカ〇イドの声にそっくりだ。


 それに『発声発語』のレベルが上がれば、更に話せる言葉が増えていくらしい。


 いつの日か、普通に会話ができるようになるのだろうか。その時の事を考えると楽しみでもあり、不安でもあるな。


 俺は秘密装備の御礼にと、膝の上で丸く? なる瑠璃を超高級マイクロファイバーのタオルで拭きながらふと考えて、まあその時はその時だなあと考えた。


次回は閑話を挟んで、物語が再び動きだします。


次の閑話は元蜘蛛タブレットこと瑠璃についてです。あの時タブレットPCだった瑠璃に何が起きたのか。そして今、何を思うのか!!


それでは、興味御座いましたら、ブックマーク・評価お待ちしております。

どうぞ次回もご来場お待ち申し上げます。


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