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32/43

32.CD-RとDVD-Rの違いが分からず、使用しないDVDーRが49枚残っている。

 ドラッグストアコーナーが目視できる位置まで到着した俺は、商品棚に身を潜めて様子を伺う。


 ここまでは、カエルモンスターと会うことも無かった。


 どうやら、奴らの数を削れたようだ。流石にゲームみたいなリポップや無限湧きってことはなさそうで、助かったぜ。


 さて、本丸はどんな感じですかね。


 ATMコーナーの様に壁沿いにあるドラッグストアコーナー。本来なら商品棚が並ぶ入り口正面は、開けたスペースにベンチと自動販売機が設置されていて、ちょっとした休憩場所となっている。


 休憩場所は広くて、戦いやすそうでもあるが代わりに身を隠す場所も少ないな。


 いち、にい……………さん。3匹のカエルモンスターがドラッグストアコーナー入り口で床に座っている。


 今の俺の視力ってどんくらいあるんだろうな。


 歪んだ空間は見当たらない。擬態カエルモンスターはいないみたいだな。


 だが、完璧に周囲に擬態できるモンスターがいるかもしれないからな、警戒は怠らないようにしよう。


 先ずはあの3匹をどうにかしたい。もしボスモンスターがいた場合、複数相手はしんどいだろう。


 ちょっとコッチに………近づいて………こい!!


 商品棚にあった手頃な大きさの50枚入りのCD-Rのパックを休憩場所に向かって投げる。


「はっ、はっ、はっ」


 いいぞ~。コッチに寄ってこい!


 カエルモンスター達は立ち上がって、ゆっくりとドラッグストアコーナー向かいの開けた休憩場所の床に散らばったCD-Rに近づいてきた。


 お次はアッチを向け~!


 もういっちょうだ。CD-Rを俺の居る位置とは逆側に投げる。


「はっ、はっ、はっ、はっ」


 よし! 俺に背を向けた!!


 もう一個のCD-Rは上方向に高めに投げて、斧を握りしめ突撃する。


「!?」


 遅いぜ!


 薪割り斧で真ん中の目玉に一撃。コイツらここが弱点みたいだからな。潰れた目玉から気持ちの悪い液体を流しながら、一発で倒れる。


 続けてもう1匹!


 振り下ろした斧がめり込み、短い鳴き声をあげて崩れる。


 最後のいっぴっ!


 飛び掛かってきたカエルモンスターを躱し、向かい合った瞬間、最後に上に投げたCD-Rが床に落ち音を立てる。


 俺から僅かに逸れるカエルモンスターの注意。


 マジか! すげえ、見事にハマった。逆に怖い。


 戦っている最中に、目の前の敵から意識逸らすなよな!!




 魔石を拾い、ドラッグストアコーナーを見る。


 これだけ入り口前で暴れて増援その他は無しか。


 ゆっくりとドラッグストアコーナーに俺は足を踏み入れた。




 肌が粟立つ。


 背筋に冷たい汗がつたう。


 いる。


 何かいる。


 ただのカエルモンスターや擬態カエルモンスターの気配じゃない。


 ハイゴブリンと同様の嫌な感じ。


 ゆっくりと注意して移動する。おかしなとこは無い。無いんだが…………………。


 見られるている?


 視線を感じるぜ。


 どこからだ。歪んだ空間は無い。クソわからねえ。


 ドラッグストアコーナー自体は広い。棚はデカイが通路はそこまで広く作られていない。


 狭くはないんだかなぁ、圧迫感が半端ないぜ。


 周囲に音は無く静寂が支配している。その静寂を破るような心臓の音がうるさい。呼吸の音が気になって仕方がない。


 カツンと床に落ちていた、何かがつま先に当たる。


 その音に心臓が跳ね、飲み込む唾液が気管に入ってむせそうになる。


 もしかしたら、ほんの先の空間で見えない馬鹿デカイ擬態カエルモンスターが口を開けて待っているのかもしれない。


 つい頭をよぎるそんなこと想像に持っていた斧を前に突き出して、苦笑いが溢れた。


 ビビり過ぎだぞ。油断は禁物、注意は怠らず、常に襲われる可能性を意識しろ。だがビビりって、怖がっていたら、いざ体が動かない。負けるな俺! 頑張れ俺!


「?」


 ドラッグストアコーナーのレジ付近の大きく開けたスペース。


 そこに山積みになっていたのは、ドラッグストアコーナーに相応しくは無い、靴やピッチフォークやズボンの裾や、鉄パイプやら。


「………………………」


 警戒しながら近づいて確かめる。


 血に染まり、積み上げられたそれらの持ち主達はもう既にこの世にはいないのだろう。


 だが、何故こんな風に山積みに………なんてな!!


 ミシッ


 微かに捉えた何かが軋む音。肌が伝える空気が揺れた感覚。残されたズボンの裾と靴。


 横っちょから齧りつかれたんじゃない。


 俺は大きく後ろに飛びのく。


 上にいるんだろ!!


 用意していた秘密道具を二つ先程まで俺がいた場所に連続で投げつける。


 ひとつは不発で床に落ちる。


 だがもう一つは、何もない空間で割れて、空中で青色に発光する。


 その名も、特製手作り瓶詰め発光塗料爆弾だぜ。


 これで、姿が見え無くても………ってあ!?


 そこには、擬態を解いて天井からぶら下がった、まるでクレーンゲームのクレーンの様に俺のいた場所で口閉じたカエルモンスター。


 ただし………………でっかい!!!


 マジでアホか。デカすぎるだろ!


 もう、カエルモンスター達とはもう別生物だろう。


 ボックスタイプの軽自動車よりもふた回りほどデカイ。


 良く天井抜けないな。



 だが、何故擬態を解いた?


 そう思った次の瞬間、巨大擬態カエルモンスターは床に落ちて、のたうち始めた。


 なんだ?………………あっ! そうか!


 青色に発光する蛍光塗料がかかった位置が………ちょうど真ん中の目玉だ。


 確かにあんなのが目に入ったら痛いよな。


 これはチャンスだ。


 けど、のたうち回る巨大な生き物にどうやって近づこうか。


 目の前では転がり暴れてレジや棚を押し倒す、巨大擬態カエルモンスター。


 チャンスだけど、近づいたら押し潰されそうだぞ? さすがに戸惑う。


 どうしようか。

瑠璃が用意してくれたものは一体何か? 登場しなかったじゃないか!?


次回明らかに。


気なった方はブックマーク・評価お願いします。


筆者が忘年会を乗り切れます。

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