第94話
「10日経ってどう?怒気は消えた?」
「怒気は消えたのですが・・・」
「焦燥感が酷くてな」
「・・・このまま『冒険旅行』に行こうかと思ったんだけど」
「行くなら行くで、あの大陸は『下準備』が必要だぞ」
「『パスポート』でもいるの?」
「似たようなものだな」
創造神の話では『身分証』があるとないとでは「入れる店や購入出来る商品が違う」らしい。
何より『町で滞在出来る日数が違う』し、『滞在費』まで発生するそうだ。
「必要最低限のものは用意するから。しばらくは『寝たきり』で回復に努めなさい」
さすがに10日間も飲まず食わずで眠り続けていたら、体力もガタ落ちだよねー。
「肉体なら『ガタ落ち』だが、体力自体は『回復』に向かっている」
つまり筋力は落ちたがステータスの体力はチャージ中って事ね。
「眠っていなさい。あちらへ戻る準備が済み次第、運んでおくから」
ハンドくんたちがいないと思ったら、ベッド環境を整えに行ってるんだ。
「ねえ。・・・旅行中は本当に『私たち』が手伝わなくてもいいの?」
「ハンドくんたちが一緒だし・・・どうせ止めても、ハンドくんたちを通して手伝う気満々でしょ」
そう言ったら2人とも苦笑してた。
・・・否定しないって事は『やる気』だな。
「手伝うのは別に構わないけど・・・」
『思わず降臨したり』と言いながらアリスティアラを見ると顔を背ける。
『キレて天罰落としたり』と言いながら創造神を見るとそっぽをむいた。
「そーゆーのは『や・め・て』ね♪」
ニッコリ笑顔で『希望』を伝えると「分かった」と約束してくれた。
神だから『約束』は違えない。
それをちゃんと『約束』してくれたのだから大丈夫だろう。




