第９３話
「そうだ！私の作った魔石、まだ換金してもらえないんだけど・・・。せっかくネットショッピングがあるのに、まだ使えな〜い！」とグチッたら、「今回の『乙女の魔石』の価値が低いから、『さくらの魔石』は値上げしようか」と言い出した。
・・・その値段はどう決めてるんですか？
「オレが一存で決める(ドーン」
このオニーサン。両手を腰にあてて胸を張ってるよ・・・
で？その決めた値段は？
「神殿に伝える(さらにドーン」
・・・ったく。このオニーサンは。
「ンで？乙女たちが来たのは分かったけど。それと『トゲトゲした攻撃的な感情』がどう結びつくの？」
無理にでも話を進めないと堂々めぐりだよなー。
「実はな。さくらたちが寝てる時に襲ってきたんだよ」
「『襲われた』んですか？私」
「そんなわけないでしょ！」
『意味が違うでしょ！』と笑われた。
確かに。ハンドくんたちがいるから、それは出来ないよねぇ。
「否。寝ている所を何度も襲われているだろ。翼族の青年たちに」
え？ヨルクとヒナリのこと？
「彼らは『親愛のキスをほっぺにしてるだけ』です！」
あぁ。起きた時にも２人にされたことがあるな。
っていうか、創造神の『からかい』のターゲットは、私ではなくアリスティアラだな。
『正解』
アリスティアラにバレないように、チャットで返信してきたよ・・・
「・・・それで？セルヴァンたちが『乙女たち』相手にブチ切れた？」
「当たり」
「・・・その時の映像を見せてくれるのかと思ってたけど？」
「彼らの『怒気』が凄くてな」
「さくらは、かなり薄まった怒気にもあれだけの反応を示してたから・・・」
「・・・・・・あれでも『か〜な〜り〜薄まってた』の？」
「けっこう『怖かった』し『痛かった』んだよ」
「その場にいたら泡を吹いて倒れていただろうな」
「それ以前に、その場にさくらがいたら、彼らは怒気を出さなかったでしょうね」
「・・・逆に、それでも無事だった『乙女たち』もスゴいよねー」
「なぜ彼女たちが『無事』だと分かったの？」
「なぜって・・・。『目の前でひっくり返った』りしてたら、少しは気が済んだんじゃない？」
「そうじゃなかったから『怒りが収まっていなかった』んでしょ？」
「それはどうだろうな」
「もしかすると『１００万分の１』くらいでしたら、気が済んだかも知れませんね」
「『ティースプーン１杯分』か・・・否。『耳かき１掬い分』くらいかもな」
「・・・どんどん減ってるよね？『気が済む』より『ざまぁ』って感じなの？」
「そっちが近いですね」
・・・ありゃりゃ。
どんだけみんなに嫌われまくったんだろ。
以前ヒナリたちがセルヴァンのことを『鬼と呼ばれてる』って。
『情け容赦ない』って言ってたけど。
・・・この世界に『桃太郎』はいないから『鬼退治』は出来ないし、絶対させないけどね。
