表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/449

第92話




「さくら。大丈夫ですか?」


花の香りに包まれて、フワフワした夢を見てた気がする。

頭がボーッとしてて、今の状況が追いつかないんだけど。

とりあえず、こういう時に言う定番のセリフは・・・


「ここはどこ?私はだあれ?」


エッと驚くアリスティアラ。

その横にいた創造神が苦笑しながら「ここはマンションの部屋。キミは『さくら』」と返す。

その様子に『記憶喪失』を一瞬疑ったアリスティアラは安心する。


「ンもう!変なこと言うから心配したじゃないですか!」


創造神(そ〜ぞ〜し〜ん)。どっかに『モ〜モ〜鳴いてるウシさん』がいる〜」


「『メス牛』か?良かったじゃないか。牛乳飲み放題だぞ」


「『乳牛(ミルク)』の方なの?『肉牛(ステーキ)』じゃなくて?」


「もう!2人とも!」


アリスティアラの言葉に創造神と声を上げて笑った。




「私が『コッチ』に戻って、どれくらい経ったの?」


「コッチに帰って来た日を『1日目』と数えるなら『10日目』」


「・・・けっこう長く寝てたんだ」


「精神的な負担がかかり過ぎたみたいだな」


「気分はどうですか?」


「頭がボケラッタ状態」


「それは『寝すぎ』だからだ」


「ザンネーン。『もとから』だ〜」


「それはオレでも『治せない』な」


私と創造神との掛け合いに苦笑するアリスティアラ。

私の額から頬にかけて何度も触れて「もう大丈夫ね」と安心している。

あー・・・『また』熱を出して、アリスティアラに心配かせていたのか。


「ゴメン」


私が謝るとアリスティアラは首を左右に振って頭を撫でてくれた。

創造神に目をやると「『あの日』のことを知りたいのか?」と指摘されて頷く。


「あの日『聖なる乙女』が2人来たのは知ってるな」


「私が瘴気の浄化を拒否ったから」


「いや。そうじゃない」


私の言葉に創造神は苦笑する。

だったらなんで今回は『聖なる乙女が2人』?

そう聞いたら、他国の私への対応を問題視した創造神が、『聖なる乙女が1人では、何か問題が起きればさくらに負担がかかってしまう』と思ったかららしい。


そして『見ず知らずの2人』ではなく『関係が良好な2人』が選ばれたそうだ。

今回の『聖なる乙女たち』は、『1+1=2』ではなく『だいたい0.5+たぶん0.5=なんとか1になるかな〜?ビミョーに足りないかも・・・。ま、いっかー』らしい。

そのため「今回の『乙女の魔石』の精度が悪く価値は低い」そうだ。

以前『この国の宰相(マクニカ)』が言っていた『銀貨10枚』が相場らしい。



そういえば、前に「なんで『銀貨10枚』なんだ?『金貨1枚』と言えばいいのに」と言ったことがある。

そうしたら「『銀貨』の方が『金貨』より価値が下がりますから」と言われた。

日本円で『千円札10枚』と『一万円札1枚』なら『同じ紙じゃん』となるが、『金貨』と『銀貨』では、『材質が違う』から『1枚の価値』が大きく変わるらしい。

「つまり、『1円玉(アルミ)』と『10円玉( 青銅 )』と『500円玉(ニッケル黄銅)』みたいなものか」と言ったら「だいたいそんなカンジですね」と言われた。


ちなみに銀貨10枚では『金貨1枚分』の価値もないそうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ