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第86話



応接室で、各々の高ぶった気持ちを落ち着かせてからリビングに戻った3人。

寝室に向かうと結界は解除されていた。

寝室を覗くと、さくらとヒナリは何も知らずに眠っている。

2人の頭を撫でてからさくらの頬にキスをする。

ふにゃりと笑顔になるさくらに目尻が下がる。


・・・この笑顔を守りたい。

そのためならどんなことでもする。


改めてそう誓った。

もう一度さくらの頭を撫でてから寝室を出た。



「2人ともよく寝てた」


「そしてさくらを『襲ってきた』と」


「違う!」


「頬にキスしてきただろう?」


「何で・・・」


「何でって」


「顔がな」


誰でも、さくらの頬にキスをするとシアワセな気分になり目尻が下がる。

さくらの頬にキスをした事があるのは、ヨルクとヒナリだけではない。

ここにいる2人もだが、神々も親愛のキスを贈って目尻を下げている。


ちなみに一番最初に『さくらにキス』をしたのはアリスティアラだった。



「グスン・・・パパぁ」


目を覚ましたら隣でヒナリが眠っていた。

そしてベッドの中だった。

セルヴァンたちが帰ってきたと思ったのに。

あれは『夢』で、2人は帰って来なかったのだろうか。

でも、夢だったのなら眠る時に後ろから抱きしめてくれるヨルクがいない。


「ママぁ・・・パパが『また』いないよぉ」


「あ!さくら。もう起きてたのか?」


ヨルクの声がして顔をドアに向けるとヨルクが近付いてきた。


「どうした?泣いてたのか?」


ベッドの縁に腰掛けたヨルクが、私を抱き上げて膝だっこをしてくれる。

その状態で目の端を親指で(ぬぐ)われた。


「・・・ヨルクがいなかった」


「ああ。そうか」と言いながら抱きしめて、「まだ昼だったからなー」と頭を撫でてくれる。

この部屋にも窓ならある。

しかし私が寝ている時は『陽光()()け』の魔法が掛けられていて、室内は薄暗くなっている。

だから、メニュー画面で時計を確認しないと『現在時刻』が分からない。


「セルヴァンたちが待ってるから行くか?」


「セルヴァンとドリトス、帰って来た?」


「ああ。帰って来てるぞ」


ヨルクは心配そうに見てくるさくらを抱きしめて安心させる。

そして、さくらが泣いていた『理由』に気付いた。

2人が帰ってきてすぐに眠ってしまったから、『夢だったのではないか』と心配していたのだろう。

それなのにオレもいなかったため、更に『不安』にさせてしまったようだ。




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