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第64話



「だからと言って、日向(ひなた)にずっといて良いわけがないだろう」


ヨルクの背後からセルヴァンの声がして、そのままセルヴァンの腕の中へと(さら)われる。


「ほれ。こっちじゃ」


ドリトスがセルヴァンの横から手を伸ばして私を攫う。

そのままドリトスに『保護』されて、揺り椅子(ロッキングチェア)まで避難して、今の私はドリトスに『膝だっこ』状態。


ヒナリも一緒に来て、「大丈夫?熱は出ていない?」と心配しながら頭を撫でてくれる。

ヨルクは離れた場所でセルヴァンに『ゲンコツ』を貰って叱られていた。

ヒナリは『お説教回避』が許されたのだろう。

私はというと、ゆっくりと動かされる、揺り椅子(ロッキングチェア)の気持ちいい揺れに目蓋が重くなっていく。


「今は無理せず眠っていなさい」


頭を撫でられて、ドリトスの温もりも追加されて気持ちよくなっていく。

ン・・・ヨルクがなんか言ってるのが聞こえる。


「バカいぬ~。カタブツ~。とーへんぼく~」


「おやおや。・・・もうおやすみ、さくら」


聞こえる言葉をマネしていたら、笑いを含んだ声のドリトスに片耳を手で塞がれた状態で抱き寄せられた。

ドリトスはモフモフ度が少ないけど、『毛皮着用』だからフカフカなんだよね~。

まるで柔らかい毛布に(くる)まれているみたいで安心する。


やっぱり『オリジナル毛皮』って、癒し効果バツグンだわ・・・



さくらが眠ったのを確認してからスゴい勢いで飛んできたヒナリが、ヨルクの頭をゲンコツで殴る。


「イッテーなー!何すんだよヒナリ!」


「もう!『さくらがマネするから変なこと言わないで!』って言ったでしょ!」


ヨルクとセルヴァンがさくらをみると、ドリトスの腕の中で眠っている。

耳がドリトスの手で塞がれているところを見ると、ヒナリの言うとおりヨルクの声が届いていたようだ。

セルヴァンがさくらに近寄り、額に手を伸ばす。


「大丈夫じゃ。熱は出ておらぬよ」


ドリトスの言葉に、安心して全員が息を吐いたのだが。



「んー・・・『(いか)ついデカブツ』~」



さくらの寝言と共に、ヨルクの頭にヒナリとセルヴァンのゲンコツが落とされた。




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