表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/449

第57話



「何が起きたか知りたいと言うから映像をみせたんだが・・・まさか、あれほど深く心に傷を負っていたとは思わなかった」


「それは私も同じです」


寝室には創造神とアリスティアラだけが残っていた。


「さくらには『乙女の魔石』の使い方を教えた方がいいだろう」


昨日はアリスティアラがさくらのアイテムボックス内にある『乙女の魔石』を使って、さくらの身を守った。

魔法でも結界は張れるが、魔石を使う方法もあるのだ。


特にさくらが精製する『乙女の魔石』は、聖なる乙女が生み出す『乙女の魔石』とははるかに違う。

聖なる乙女の魔石が『ルビー』なら、さくらの魔石は『ダイヤ』だ。

今まで乙女の魔石では1回が限度だった『通信』も、さくらの魔石なら『最低でも』3回は通信が出来る。

その『さくらの魔石』で結界を張れば、普通に『乙女の魔石』で結界を張るより強固だ。


昨日のエルフ族の攻撃程度なら、結界にキズをつけることも出来ないだろう。



「『これから』のこともある。あの賢い『さくらの魔法生物』にも使えるようにしておこう。彼らには申し訳ないことをした。さくらを助けに行こうとしたのを止めたのだから」


「いえ。彼らはちゃんとわかっています」


「彼らは『我らが助けに行く』と言い出す前に、さくらの周りに飛び出そうとしておった。それを若い神たちが遮ったのだ。『さくらに感謝されたい』『カッコイイところを見せたい』との欲望から・・・」


「・・・それは彼らが今まで後悔してきたからでしょう」


あの日・・・外出を止めたアリスティアラを遮って、この国の『次期国王』たちを使って外出させた。

その結果、さくらは『呪い』を受けて、今日(こんにち)まで長く苦しませてしまった。

確かにあの時は、暗殺集団の隊長の『目』を通して『呪い』をかけてくるとは思ってもいなかった。

助けに飛び出したのは『汚名返上』『名誉挽回』のつもりだったのだろう。


・・・それがさらに『さくらのココロにキズ』を負わせてしまった。



彼らはいま『(バツ)』を受けている。

神でも『罰』は受けるのだ。

彼らはもう『神籍(しんせき)』ではない。

・・・『除籍』されたのだ。

『若い神だから』という理由で許されることは何ひとつ無い。

『神』である以上、言動に責任があるのだ。



「『新しき神々』は既に決まり、『彼ら』の(たましい)には『シルシ』が付いておる。『役目』が済めばシルシを付けた時の姿で神格化する」


彼らは『それ相応』の功績を多数挙げている。

そして神々からも、満場一致で神と名を連ねる事が認められている。

この世界の神々は『信賞必罰』の意識が高いのだ。



・・・もちろん、本人達には『その事』は伝えられない。

『残りの一生』をムダにさせないためだ。


「さくらの『呪い』が解かれてすぐ、此度(こたび)の『呪い』に加担した者たちと関係者にはすべて『天罰』は与えてある。エルフ族にもだ。これによって『聖なる乙女』の召喚が決まった。(いず)れ、さくらは会うだろうが・・・だが、今は身体とココロを癒すことが最優先だ」


「はい。分かりました」


その言葉を最後に、室内は静かになった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ