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第49話
「そんな事すれば、『神の加護』より『神の怒り』を買うだけだろ」
昨日の『光の人形』が神様だと言われた。
冷静に考えれば、さくらへの『気遣い』が溢れていた。
さくらはなんらかの『事情』があって、ここに『連れてこられた』のだろう。
それにどう神が関わっているのか。
それはわからない。
だが、神はさくらを大切に思っている。
いつも見守っている。
だからこそ、『あの瞬間』にさくらを守ることが出来たのだろう。
「『瘴気』は理性を無くし、欲望をさらけ出す・・・その結果が、昨日の『飛空船事件』だ」
セルヴァンの説明に納得する。
コーティリーン国のエルフたちとは仲が悪いが、今まで攻撃を受けたことはない。
「・・・さくらの身体が弱ってるのは『強い悪意を受けたから』だけなのか?」
さくらからは『別の悪意』も感じる。
でも、それをここで口にしたら、きっとヒナリが泣く。
「どうした?」
「ちょっとジタンのとこ。すぐ戻るから」
立ち上がったオレにセルヴァンが声をかけてきた。
ヒナリがついてこようとしたけど、アイツはさくらについててあまり寝てないからな。
少し休んでろ。




