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第444話


ふたたび、さくらとハンドくんは冒険者ギルドで借りた部屋で『お留守番』をさせられて、スゥたちだけでダンジョンに潜りに行っている。


〖 今の状態で先に進むより、この町に(とど)まり『戦闘の基本』を身体に叩き込んでから進んだ方がいいでしょう。

スゥ。シーナ。ルーナ。

貴女たちが3人に指導しなさい。

それは『自分の戦闘』を見直すことに結びつきます。

組み合わせはスゥに任せます。

ですが1対1で担当した方が良いでしょう 〗


「はい。分かりました」


そして、スゥがジョシュアを。

シーナが同じ槍使いのジョアンナ。

ルーナは将来剣を使うことを選んでいるため、ロンドベルと組むことになった。



「まあ、気楽にいけ。

間違いは他の2人が指摘してくれる。

誰も気付かなければ、ハンドくんたちが指導してくれるさ」


〖 ハリセンと共に『教育的指導』で 〗


「お手柔らかにお願いします」

〖 指導ですから、遠慮なくビシバシ!と 〗


「ハンドくんたちって『スパルタ教育』だから。

オレだって、ハンドくんたちに『グリグリ』されたんだもんなー」


あれは別荘島で『模擬戦』をした時のことだ。

その時のことを思い出して、スゥとルーナは顔を見合わせて小さく笑い合う。


〖 『愛のある教育』です 〗


「それは気のせいです」


〖 どこがですか? 〗


「愛情があるなら・・・『グリグリ』を2倍にしないもん」


〖 『言われたことを忘れたから』でしょう? 〗


「まだ『1回目』だったんだもん!」


〖 1回目でも、危険なことをすれば『アウト』でしょう?

・・・仕方がないですねー。

何をしたらご機嫌がなおるのでしょうか? 〗


「今日のスイーツ。豪華版」


〖 では『良い子』にしていたら毎日『豪華版』にしましょう 〗


「いつも『良い子』です」



このやりとりに慣れた年長組。

会話はハンドくんが主導権を握っているようで、実際にはさくらとハンドくんの『じゃれあい』なだけだ。


唯一、さくらが『甘えられる』のがハンドくんで、ハンドくんが『甘やかす』のがさくら。

そして・・・。

自分たちのせいで旅の足を止めて2人を置いていくことを気にするジョシュアとジョアンナ。

さらに、さくらの心配をしているスゥたち。

さくらたちの『じゃれあい』は、そんな5人の気持ちを軽くしてくれる。

ハンドくんがロンドベルを揶揄うのも、重くなりやすい空気を変えるためなのを、ロンドベル自身気付いている。

そして、ハンドくんが揶揄えるのも、ロンドベルを信頼しているからだ。

心配症のスゥたちでも、言葉を鵜呑みにして気にしてしまうジョシュアたちでは出来ないこと。

そのことに気付いているからこそ、ロンドベルは軽い口調で受け流す。


だからこそ、さくらに『さくらの姿』を見せられて。

そんなさくらの姿に魅せられて。

側仕えを許されていることを、ロンドベルは『この世の幸せ』と感じていた。



・・・たぶん『マゾ気質』はないと思われる。


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