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第440話


「あの、今日はヒナルクさんは?」


「今日は戦闘の確認のため私たちだけです」


「私が先日そう説明したと思いますが?」


「あ、はい。

ただヒナルクさんは参加しなくても一緒にダンジョンへ行かれると思ってただけで・・・」


「ご主人が一緒では心のどこかに『甘え』が出てしまいます。

そのため、戦闘の確認や強化された武器の威力を確認するためにダンジョンへ向かう場合は、ご主人と師匠には残って頂きます」


「ごめんなさい。そうですね」


「理解していなくてすみません。

今日は一日お願いします」


ジョアンナが頭を下げるとジョシュアも一緒に頭を下げる。

2人はロンドベルに「一般常識が足りない」と注意を受けてから、慌てて『一般常識の本』を購入してロンドベルに教えを乞うた。


「ハンドくんが暴走しかけています。

今日も武器のハリセンで吹っ飛ばす気でいました。

ヒナルク様が止められましたが、ハンドくんは『遺体の処理方法』も考えているようです」


薄々、自分たちに一般常識がないのでは?と思い始めていた。

そのため、大きな失敗をしでかす前に、ロンドベルに頼み込んで一般常識を教えてもらうことにしたのだった。




ジョシュアとジョアンナは、自分たちが中央の人に負担をかけていたことをダンジョンに入った最初の戦闘で知らされた。


「ごめんなさい。

私が最初の頃に『良かれ』と思ってした事で、範囲を勘違いさせてしまいました」


謝罪するスゥに、何も考えずに甘えていた自分たちが一番悪いと謝罪した。

スゥに肩代わりして貰っていても、魔物を討伐し終わるのが一番遅い。

『2人組み』なのに、だ。

ロンドベルとの共闘でも自分たちの方が多く倒せないとおかしいではないのだろうか。


「ここは少数のため、2人だけでも十分倒せると思います。

こちらが指示するまで、ベルとジョアンナだけで戦ってもらえますか?

ジョシュアはその次にベルと組んで下さい。

私たちがいないものとして戦ってみてもらえますか?」


スゥの言葉に驚くが、確かに自分たちの戦い方を見てもらって『何が悪いのか』を指摘してもらった方が、いい結果を導き出してもらえるだろう。




「次は2人だけで戦って下さい」


ジョシュアとジョアンナは5回の戦闘ごとに交代していた。

連闘ではないため疲れはない。

ロンドベルと2人だけの共闘でも、特に差は出なかったと思われる。


しかし、ジョシュアとジョアンナだけで戦った2回の戦闘後、3階に降りる階段の前にある広場でスゥから休憩と作戦会議を提案された。



「ひとりだけなら戦闘に問題ありません。

ですが、2人一緒になるとお互いをフォローし合うために接近してしまいます。

『同じ敵を2人で倒している』んです。

ここはひとりで倒せるのは、その前のベルと両翼で戦った時に分かったはずです」


「2人は相手を信じていませんか?」


「そんなことはないわ!」


シーナの言葉にジョアンナが声を張り上げる。

スゥに同行したハンドくんが張った結界で、残っている魔物が寄ってこないが、それでも・・・


「ムキになるということは図星なんだな」


ロンドベルにズバリと言い当てられて、ジョアンナは何も言い返せなかった。


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