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第417話


ダンジョンを巡って18日目。

管理されているダンジョンで時々見られる『魔物()け』が張られた広場。

強い魔物が出るダンジョンでは、実力を読み間違えた冒険者がここの中で誰かが助けてくれるのを待っていることが多い。



「ねえ。ハンドくん。スゥ」


〖 なんでしょう 〗


「はい。ご主人」


「・・・・・・しばらく前になるけど、『似たような光景』を見たことがなかった?」


〖 ありましたねえ 〗


「はい。あります」


「・・・どうする?助ける?」


「私はイヤです!」


背後からシーナが声を張り上げた。

同時に膨れ上がる殺気。


バチコーン!という音が響くと同時に、ハンドくんの『画用紙ハリセン』がシーナの後頭部を打ちつけた。


「シーナ。冷静になれ。

あの連中は『違う』

預かり知らぬ責任を押し付けるな」


「シーナ・・・

シーナが何かしたら、ルーナも一緒に責任を取らせるの?」


「ちが、う。そんなことは」


「でも、今のシーナが言ったのは『そういうこと』だよ」


スゥの言葉に首を左右に振るシーナ。


「スゥ。気付いていたのか?」


さくらの言葉に頷くスゥ。


「はい。ですが、すぐには気付きませんでした。

夜にエンテュースでのことを思い返していた時、お姉さんたちと『気配が近い』と」


「じゃあ、なんで?!

なんであの時優しくしてくれたの!」


うん。まあ。

広場の中でシーナが大声出したから気付かれたんだろうけど。

それで耳を(そばだ)てるのも分かるけど。


「話に割り込むのは失礼じゃないんか?」


さくらの冷たい声に、テントの中から出ていた女性2人は、恥ずかしさからか顔を赤らめて俯いた。


「私は、あの男が許せません。

ですが、それはあなたたちとは関係ないです。

それに・・・『あのこと』があったから、私たちはご主人や師匠と出会い、こうして『自分のチカラで生きていく』ことを教わっています」


ルーナは何も分からない様子だったが、犬種の本能からか、2人のことに薄々気付いたようだ。



・・・この2人は『ジョルトの身内』だった。


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