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第403話


〖 ・・・だそうですよ 〗


「そっかー。

『ツバサ』って『ハンドくんのハーレム』だったんだね〜」


〖 私は『さくら以外は必要ない』ですからね 〗


「ご主人・・・

きっと彼女らは、ご主人を『少年』だと勘違いしているのでしょう」


「うーん。ハンドくん・・・潰す?」


〖 そのつもりですが・・・なにか? 〗


「潰すのは『町について報酬貰って完全に別れてから』がいいかな?

門番のいる前でやって別々に町に入る」


「ですが、門番はいるでしょうか?」


「門番はいなくても門兵はいると思うよ。

警備隊に『なぜいないのか』って伝えたから。

たぶん、すでに入っている人たちも鑑定石で犯歴を確認されていると思う」


〖 はい。すでに『売春宿』は町にそぐわないとして追放になりました。

しかし、あとひと月は宿がないため、冒険者以外は野宿をしています 〗


「あの男性は敵意がありません。

女性2人に振り回されているだけのように思うのですが」


「正確には『自我がない』。

機嫌を損ねないように顔色見て振り回されているのラクだよね〜」


「ご主人様。

それでどうされるのです?」


「放置」


〖 わざわざ『遊んであげる』必要はないです。

せいぜい『無駄話する余裕があるならスピードを上げましょうねえ。ついて来られないなら置いてくだけです』と疲れさせてあげればいいです 〗


「ご主人さまは大丈夫ですか?」


「余裕」


〖 風魔法がありますからね。

放っておくと木登りとか始めますから、私が見張っておきます。

では、そろそろ結界を解除します。

用意はいいですね 〗


「はい。師匠。

ご主人。彼らは私たちが見張ります。

早く町の前まで連れて行って放り出しましょう」


「スゥがどんどんハンドくん並みに(たくま)しくなっていくー。

トラブルが起きてもこのまま『丸投げ』出来ちゃう〜。

ラッキー♪」


〖 最終決定はしてもらいますよ 〗


「全部丸投げ、背負い投げ〜」


「・・・ご主人」


「ついでに巴投げ〜」


〖 完全にヤる気をなくしてますね 〗


「あの女性陣の言葉で『投げやり』になっているんですね」


「ハンドくんは『()る気』だー」


〖 ・・・()らないと思っていますか? 〗


「まっさかぁー。

あの『弱っちい連中』と一緒に『お片付け』するんでしょ?」


〖 『害虫駆除』ですよ 〗


「廃棄処分の間違いじゃない?」


〖 『ケツバットで飛距離競争』ですよ 〗


「あ!それ面白そう!」


〖 では魔獣に参加人数を減らされる前にギルドの宿に行きますよ 〗


「はーい」


あれほど『やる気をなくしていた』主人を、言葉だけでやる気を取り戻した師匠の手腕に感動するシーナとルーナ。

スゥは『(たく)みな言葉の使い方』に脱帽していた。



結界が解除されると、3人組も結界を解除して立ち上がった。

そしてさくらに近寄って来たが、スゥは間に入ると「ずいぶん時間が掛かったんですね」と嫌味を投げかけた。


「貴方たちは昼食に3時間も掛けていたせいで、出発が送れました。

此処からピッチを上げて町へ向かいます。

ついて来れないなら置いて行きます」


「何よ偉そうに!」


「スゥの言い方がイヤなのか?」


「だってそうでしょう?

私たちは・・・」


「昼飯に3時間も掛けて、1時間で済ませて2時間も無駄な時間を費やしたんだがな。

オレたちを散々待たせておきながらひと言もなく謝罪もなしか」


「あ、それは・・・その・・・」


「これ以上『足手まとい』になるなら置いていく。

2時間も無駄にされた時間を取り戻すためだ。

文句があるならせいぜい足手まといで置き去りにされないように気をつけな。

魔獣も魔物も強いのが出るからな。

・・・偉そうに言ったんだ。

助けてもらえるなんて思うなよ」


さくらの冷たい言葉に固まる女性2人組。

その横で「待ってもらってすみません」と謝る青年。


「じゃあ行くぞ」


さくらを先頭に、獣道に近い細道を駆け下りていく。

町までこのペースで下りれば2時間。

夕方までに町まで辿り着くだろう。


3人は置いていかれないように、さくらたちを追いかける。

さくらは風魔法を使っているため、息もあがらないでピョンピョンと岩を軽々と飛び越えていく。

スゥたちは獣人の能力でさくらについて行く。



数百メートル離されたものの、町の入り口まで辿り着いたのは1時間半後だった。



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