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第367話


さくらは10分もしないでハンドくんの無重力空間(シャボン玉)に入って移動していた。


〖 この先で道をそれて崖を登ります。

スゥたちの脚力の鍛錬です。

獣人ですからね。

『整備された道』を歩くだけでは3人の鍛錬になりません 〗


「はい。ご主人は無理をしないで下さい」


〖 『見守る』のも大事です。

『何か気付いたことがあっても、今は知らないフリをしてて下さい』 〗


「はーい」


「分かりました。お願いします」


ハンドくんはさりげなく後半にスゥたちへ『つけてくる連中は放って置きなさい』と忠告した。

スゥはそれに気付き、さらに主人には気付かれないよう返事をする。

シーナとルーナも頷き同意する。

それと同時に気付いたことがあった。

ハンドくんがさくらをシャボン玉に入れてから、つけてくる連中の気配がおかしくなっていた。

それまで気付かれない様に行動していた連中が、今は。その隠密行動がまるっきり出来ていないのだ

理由は簡単だ。


『ヒナルクの後ろ姿が見えなくなった』


そのため必死にその姿を探そうとしていたのだ。

獣人の3人は一緒にいる。

だからヒナルクも一緒にいるのだろう。

だが、ここは森の道のため『けものみち』な上、くねくねと大岩や木々を避けて道が曲がり、背の高さまで伸びた草が生い茂っている。

草の上から背の高い獣人の頭部や、道を曲がる獣人の背中が見えるだけだ。

この先にあるダンジョンは1つ。

間違いなく、前を行く一行はそこへ向かっている。

獣人とはいえ子供だ。

だから自分たちがついて行ってることに気付いていない。


『獣人なんて大したことはない』


そう嘲笑う謎の集団だったが、すでに気付かれていて泳がされているとは思っていなかった。





鍛錬という名のショートカットに成功したさくらたちは、そのままダンジョンに潜る。


〖 此処は見かけは小さなダンジョンです。

ですが『トラップを発動』させますから、これからは大体15日で踏破出来る『大規模ダンジョン』になるでしょう 〗


「トラップは永続?」


〖 はい。此処は元々『大規模ダンジョン』です。

ですが、今までトラップに気付かれず、5階までの小規模ダンジョンと思われていたようです。

不思議ですよねー。

『ボスがいないダンジョン』なんて存在しないのに・・・。

奥まで行って、また入り口まで戻って来ていたんですよ。

何を考えているのでしょうねー。

『何も考えていない』から、少し頭を使えば分かることも気付かないのでしょうねー 〗


・・・ハンドくんが毒舌キャラになってるぅー。


「・・・ねえ。ハンドくん」


〖 はい。どうされました? 〗


「・・・トラップ発動後、このダンジョンの魔物って」


〖 今まで出番がありませんでしたからね。

隙間がないほど、たあーっぷり!詰まっています。

3人も。ちょっとでも気を抜くと『お亡くなり』になりますよ 〗


そっとスゥたちを脅すハンドくん。

でも『注意一秒 ケガ一生』って言葉もあるからね。

大袈裟なくらい注意を促した方がいいよね。


「んー?みんなで入った『はじめてのダンジョン』と比べると?」


〖 あの大歓迎を受けた『魔獣の()』は『お子さま相手』ですね。

ちなみに此処は『お子さま以上大人未満』です 〗


「今度は、ご主人と師匠の手を煩わせることがないよう戦い抜きます」


スゥの言葉にシーナとルーナも頷く。

彼女たちはハンドくんの指導通り、直接口を聞かない。


〖 2人が慣れるまではずっと続けます。

どこで誰に見られているか分かりません。

それに銅板の2人は『銀板所持者(ヒナルク)より立場が下』です。

従者を辞めた以上、許可なく話しかけることは出来ません。

これからは、何かあれば『不敬罪』になります。

それは共闘関係でも同じです 〗


だから、『発言の許可を貰えばいい』んだけど・・・何故か、発言をしなくなりました。

スゥからも「自分で発言の許可を貰わないといけないのです。私たちが気を利かせていては彼女たちのためになりません」と止められました。



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