表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
329/449

第329話



ハンドくんは初めから『さくら『だけ』が大事』と言い続けてきたが、『冒険旅行』が始まってからは更に『悪化』した。

歯止めが効かなくなったのだ。

そして『止めるものがいない』ため『暴走気味』なのだ。

創造神ですら止められない相手を、神々が止められるハズがない。

創造神とアリスティアラは、ハンドくんの暴走を『楽しんでいる』ようだが・・・2人の立場は『上位神』だ。『気のせい』と思いたい。


ハンドくんの『さくら以外はどうなろうと関係ない』という『根本的な考え』は、この世界に『現れて』から一度も『最重要課題』から変更せず、1ミリも軌道を変えず、1秒も止まったことがない。

もし『さくらを取り上げた』ら、ハンドくんはこの世界(アリステイド)を『消滅』させるだろう。

それだけで済めばいいが、他の世界へ『さくら』を探しに行き、いないと分かればその世界をも『消滅』させるに違いない。

そしてさくらも。

もしハンドくんを『取り上げた』ら、さくらは『心をなくす』だろう。

・・・それほどまでに『2人の絆』は強いのだ。


ハンドくんたちは、神々ですら『どうでもいい』と思っている。

セルヴァンたちも含めて『さくらが気にするから世話をしている』だけでしかない。

唯一、『この世界にきたさくらに、最初に優しくしてくれた』という理由から、ドリトスの世話は『その時のお礼』だと思っている。

それを知っているハンドくんは、一緒にいるセルヴァンに対し『あからさま』に世話をしないでいると、さくらが気にするから『仕方なく』世話をしている。

だれもが勘違いしているが、さくらが『一番好き』なのは『安心させてくれる』ドリトスだ。

ちなみに、セルヴァンのことは『大好きなモフモフのお父さん』と思っている。


そしてヨルクとヒナリも『ついで』だから世話をしてきた。

ヨルクはさくらの『解呪』に大きく貢献したため、そのまま『一緒に生活』することを許した。

ヒナリは『ヨルクの比翼』のため、なし崩しに共に生活することを許すことになった。

『失敗』は多いが、同じ失敗は繰り返さないように頑張っている事は『評価』している。

しかし、ヨルクと一緒に『同じ(てつ)を踏む』こともあるため、今はまだ手放しでは喜べない。

ジタンも、やっと『さくらの魔石』を換金し出したため、さくらと共に過ごすことを認めた。

創造神の話だと、ヒナリたちはさくらを待ちながら『植物研究』を続けていくらしい。

彼ら3人は『この世界の変革』に乗り出したのだが、本人たちに『その自覚』はないようだ・・・

彼らは『さくらのため』に研究を始めたのだから。

何時(いつ)か、『さくらのため』がひいては『この世界のため』になっていくことに気付くだろう。・・・・・・たぶん。

気付かない可能性もあるが。

変革に関して、創造神は「『良いこと』なら大いに結構」と投げ出し・・・『丸投げする(見守る)』らしい。

どうせ、この世界の神々は『面白そうなことを始めた』としか思っていない。

『神の館』に残っているハンドくんたちは、それが『さくらの負担軽減になる』と分かっているため、協力を惜しまなかった。







自分を握りしめて眠るさくら。

ヨルクたちが来るまでは、眠る時はさくらの手を握っていた。

そうすると『ひとりではない』と安心して眠れるようだ。

色々と悩んでいたココロが軽くなったようで、目を閉じるように促すとすぐに眠りだした。



『ひとりぼっちにしないで!』



あの時、さくらの『ココロの悲鳴』を聞いた。

ハンドくんは、さくらを『ひとりぼっち』にする気はない。

『さくらから離れない』ために『不老不死(死なずの存在)』になったのだ。

それは『自分だけ』のつもりだった。

しかし、一族全員が『さくらを悲しませたくない』との理由から『同じ道』を選んだ。

・・・それには創造神ですら驚いた。

そんな創造神に、副族長の『左手のハンドくん』は言った。

『さくらが愛したこの世界を守る』と。

全員が『不老不死』になれば、これ以上一族は増えない。

『種族を残す』必要がないからだ。

・・・『それでもいい』とみんなは言う。

『『さくら』の存在自体に『価値』があるのだ』と。



恐竜島に住む恐竜たちも『同じ意見』だった。

さくらが図鑑に魔力を送り込んだことで『生まれた』彼らも、『さくらと離れたくない』『さくらを悲しませたくない』との理由から『不老不死』を選んだのだ。

私たちはまだ、一族が左右ともに2,000人以上いるから問題ない。

しかし『恐竜たち』は数が少ない。

小さなヴェロたち『小型』は10体近くいるが、ティラノたち『大型』は1〜2体だ。

「不老不死になれば、これ以上増えない」と説明されたが、彼らはちゃんと理解していた。


[ 肉食恐竜が増えたら、その分『食べ物』が必要になる。そしたら『奪い合い』になる ]


[ そうなったら『さくらが泣く』 ]


[ さくらが悲しむことしたくない ]


[ 今でも『なかよし』。このままでいい ]


創造神は、彼らの願い通り『不老不死』にした。

彼らは自力で『同族を増やす』ことが出来なくなった。

ただし、さくらは今後も『図鑑から恐竜を生み出す』ことは可能だ。

[ 新しい仲間が増えるのは嬉しい ]と言っていたため、これからも彼らは増えていくのだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ