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第292話



部屋の奥、ベッドとベッドの隙間に少女たち3人が怯えるように固まって座っていた。



「ずっと『あの状態』なんです」


「いつから?」


「・・・昨夜。首輪が外せなかった後からです」



そりゃあ仕方がないだろうな。

そう呟いたさくらに副隊長は驚く。

『首輪を外してもらえる』という希望が打ち砕かれたのだ。

誰も信じられなくなっても仕方がない。




「なあ。オレのこと覚えてるか?」



さくらが声をかけると3人が小さく頷いた。



「オレだけ、そっち行ってもいいか?」



再び3人は小さく頷く。

さくらはベッドの端まで来ると床に直接座る。



「怖いかも知んないけどさ・・・君たちの首輪、オレに見せてくれないかな?」



そう言うと『犬種の10歳の少女』がすぐに近寄ってきた。

そしてさくらの前でペタンと横向きに座る。

ジッと首輪に集中すると、何か『黒いモノ』が首輪のカギ周辺で蠢いていた。

・・・これは『光魔法』の出番かな?



『此処は神殿です。神官にやらせて下さい』



さくらはやってはダメですよ。

ハンドくんに止められたけど、この程度なら『私でも出来る』よ?



『当分、デザートは『おあずけ』ですね』



わかった!

ちゃんと神官呼んで解錠してもらうから!

だから『おあずけ』禁止!!



「ありがとう」



そう言って目の前の少女の頭を撫でると、ニコッと笑って2人のところへ戻って行った。

さくらが立ち上がり、副隊長たちの所へ歩き出すと後ろから「あっ・・・」という小さな声が聞こえた。

振り向くと縋るような表情の少女たちと目が合う。



「ちょっと待ってて。アッチと話をしてくるだけだから」



そう言って副隊長たちを指差すと頷いてくれた。




「あの首輪。『闇魔法』が掛けられてる」


「えっ!では、どうすれば・・・」



ありゃ?

この副隊長さんも疲れすぎて『頭が働いていない』のか?



「此処は『神殿』だろ?ってことは・・・」


「あ!此処には希少な『光魔法』を使える人がいるから『解錠』出来る!」



おっ!この隊員の方が話が早い!

って思ったら「失礼します!」と言って部屋から飛び出して行ったよ。

・・・フットワーク軽いね〜。



目の前の副隊長さん。

頭の整理が済んでいないのかブツブツと言っているよ。




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