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第290話



翌日の午前に到着予定だった奴隷商人は予定より早く町に到着した。

奴隷を乗せていたのと、馬に乗って迎えに行った警備隊員が『転移石』を使って城門前まで転移したのだ。

町に到着した奴隷商人の『証言』を聞いた警備隊副隊長が、『ヒナルク』が泊まっている宿『銀馬亭』を訪れた時には、陽は大きく傾いて周囲を赤く染めていた。

『青髪の少年』がヒナルクだと思っていた副隊長は、商人が会ったという場所から離れているこの町にはいないと思っていた少年がカウンターで夕食を食べているのを見て内心驚いた。

それでも副隊長は冷静さを保ち、奴隷商人が無事に町へ到着したこと。

明日の朝には少女たちの首輪が外され、その後は取り調べがはじまることを伝えた。



「なあ。オレは詳しくないんだけどさ・・・。『隷属の首輪』を着けられても、あの少女たちみたいに『自我』があるって『普通』なんか?」



その問いかけに、副隊長は頭から冷水を()びせられたようになった。

それこそ『ありえない』のだ。

先日、集団で捕まった子供たちも、泣き叫んでいたのが『隷属の首輪』をはめられると同時にすべての感情を無くしたように黙り、商人に命じられたまま自ら専用馬車に乗り込んでいった。

会話もない。

何か命じられたときに「はい」か「はい。ご主人様」と返事をするだけだ。

それは、いま商人の『専用馬車』の中で大人しくしている『極悪人』が証明している。



「ご指摘ありがとうございます。改めて調査させて頂きます」



副隊長は頭を深く下げて出て行った。

そして朝を待たずに奴隷商人が『隷属の首輪』を外そうとして・・・失敗したのだった。




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