表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/449

第29話




「お主ら!無事じゃったか!」


心配したぞ!とドリトスがヨルクたちに声をかける。

セルヴァンはヨルクからさくらを受け取る。


「セルヴァン様。ドリトス様。申し訳ございません」


ヒナリが2人に頭を下げて謝罪する。


「謝ることはない。2人はさくらを命懸けて守ろうとした。それは俺もドリトスも分かっている。2人共、よくさくらを守って連れ帰ってくれた」


セルヴァンの(ねぎら)いの言葉にヒナリは張ってた気が緩み、大粒の涙をこぼす。

ヨルクはさくらから目を離せなかった。

さくらはずっと、目をキツく閉じて小さく震え続けていた。

セルヴァンが揺り椅子(ロッキングチェア)に座り、膝に乗せたさくらを落ち着かせている姿を見ている。


「雛はもう・・・オレたちを怖がるようになるのか?」


「お主らは、せっかく出会えた『雛』を諦めるのかね?」


「私・・・諦めたくない」


「オレだって!」


「それだったら大丈夫じゃ」



ドリトスに励まされて2人は気持ちが落ち着く。

そして思い出した。



「私たち、何が起きたか分からないの」


「『王城へ戻れ』って頭に声が響いて『ああ。戻らなきゃ』って。『雛を守らなきゃ』って思ったんだ」


「私も。同じ声が聞こえて。震えているさくらを見たら『戻らなきゃ』って」


「そうか。そうか」


ドリトスはさくらに目を向けて細める。

さくらは落ち着いて来たようで、セルヴァンに笑顔を向けて何か楽しそうに話している。


「ホレ。ここでクヨクヨ悩んでいても、何も始まらんぞ」


ドリトスは背の高い2人の背を押し、さくらとセルヴァンのもとへと連れて行った。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ