第271話
ジョルトたちは捕縛されて牢獄に入れられた。
これから何日も取り調べを受けることになるらしい。
それは『偽造』が『組織ぐるみの犯罪』と思われるからだ。
鑑定石を使ってもそれは『表面』しか分からず。
詳しいことは本人たちを取り調べるしかないらしい。
警備隊長の話だと『強力な自白剤』があるそうだ。
しかしそれは『精神に異常をきたす可能性がある』ため、余程のことがない限り使えないらしい。
それも『使用の際には銀板所持者以上の許可が必要』とのことだった。
そのためさくらに『許可を貰おう』と思って宿屋まで来たようだが・・・
「元々『おかしい』んだから」
「多少おかしいのが『更におかしい』にレベルアップしても『今さら』だろ?」
「だいたい・・・・・・『そう』なって誰か『困る』奴でもいるのか?」
「喜ぶ奴の方が多いんじゃないか?」
「オレは間違いなく『大喜び』するぞ」
さくらの言葉に隊長は苦笑するしかなかった。
ちなみに奴隷少女たちのケガは、治療薬で回復出来るそうだ。
今はまだ『首輪』が外せないため魔法は使えないが、『薬での治療が可能』と聞いたさくらは安堵した。
そして彼女たちは、自分たちを救ってくれたさくらに『お礼がしたい』らしい。
「お礼より先に早くケガを治せ」と伝えてくれるように隊長に頼んだら快く引き受けてくれた。
隊長がテーブルの上にドンッと麻袋を乗せる。
中には先日の逮捕劇で犯罪奴隷となった者たちを奴隷商人に売り払った代金の『一部』が入っているそうだ。
さくらは断ろうとしたが、ハンドくんにチャットで止められた。
『断らずに受け取って下さい』
『『正当な報酬』を受けなければ、困るのは彼らです』
この町には『この町のルール』がある。
『協力の対価として金を払う』のもそうだ。
それを『外部の人間』が断ってしまうと『だったらどうすれば良いか』となってしまう。
それもさくらは『銀板』なのだ。
『失礼なことをしたから受け取られなかった』と罰を受けるのは隊長たちだ。
『それにお金はいくらあっても困りません』
・・・そうだね。
『でも『ネットショップのチャージ』には使わせませんよ』
・・・しっかりバレてたわ。




