第269話
『さくら。落ち着いて下さい』
『貴女は正統な『銀板所持者』なんですよ』
ハンドくんと『計画』を立ててたのに、思わず怒りで銃を使ってしまった。
このあとどうしよう・・・と焦ってた気持ちが、ハンドくんの言葉で『すうっ』と落ち着く。
そうだ。ここは『階級制度が息づく世界』だ。
オンナは度胸!
そうココロに言い聞かせて背筋を伸ばし、まっすぐ前を見る。
「すみません。通して頂けますか?」
さくらがそう言うと、目の前の人たちは『十戒』の映画のように左右に分かれて『道』が出来た。
突然現れたさくらに獣人の少女たちは目を丸くする。
自分たちの前に現れたさくらに驚くが、さくらはそのまま3人を庇うようにジョルトの前に立つ。
『隷属の首輪』を着けられた奴隷は主人以外からの魔法を受け付けない。
それは『攻撃魔法』でも『回復魔法』でも。
彼女たちに回復魔法を掛けたかったが、首輪がある以上それも出来ない。
そして無理に首輪を外そうとすると、その奴隷の首が締まり死んでしまうらしい。
さくらが触れば『カギ』は勝手に開く。
しかし『隷属の首輪』のカギは『主人との契約』だ。
さくらが触ってカギが開けばいい。
しかし『正式な解除』でなければ開かないなら彼女たちの生命はない。
下手なことは出来なかった。




