第267話
広場に引き摺り出された奴隷の3人。
年長の少女は年下の2人を庇うように抱き締めて、周りを威嚇するように睨みつけている。
すると「その目はなんだ!」とジョルトが鞭を打ち付ける。
同時に少女の全身を電流が流れて苦しみ出す。
それを前列に座るジョルトの『身内』たちが下品な笑いで「躾がなってねーぞー!」と囃し立てる。
「こいつはすみませんね〜」と笑いながら、ジョルトは再び少女に鞭を打ち付ける。
ジョルトが持っているのは『電流鞭』だった。
『あの中に『雷魔法』を発生させる魔石が入っています』
あれを奪ったらあの『ジョルト』という男を水浸しにして使ってやる!
『それは良い考えです』
ハンドくんが賛成してくれた。
よし!それを『褒美』に作戦を練るか。
ハンドくんと『これからどうするか』を計画中でも、広場の中央では少女たちへの『公開私刑』は続いている。
15歳の少女が下の子たちを庇うため、彼女1人がボロボロの状態だ。
今はチカラなく地面に横たわっているが、全身が帯電してるのか時々バチバチという音を立てている。
「お前たち3匹の中で誰か1匹だけ『助けてやらんでもない』」
ジョルトはそう言うとまたニタニタと笑う。
この場合『助ける』と約束した訳では無い。
『助ける『かも』しれない』と言っているだけだ。
あの笑いから見て、もちろん『助ける気は無い』だろう。
酷いキズだらけの姿なのに、下の2人を庇うために身体を起こそうとする15歳の少女。
庇われている2人は「「お姉ちゃんを助けて!」」と涙ながらに懇願している。
ジョルトたちはその姿を「じゃあお前らが死ぬんだな」と下卑た笑いで見ていた。




