第247話
「ところでその肩布はどこで?出来たら譲って頂きたいのだが。金ならいくらでも・・・」
「すみません。これは『父から譲られた』物なので」
申し訳なさそうに言うとオッチャンは慌てて謝罪してきた。
そりゃあ『父から譲られた』物を、カネのチカラで奪い取ろうというのは商人の風上にも置けない。
ブレスレットが袖の中に隠れてて良かったよ。
っていうか『銀板』相手に集るか?
『銀板』の持ち物だから『高価なもの』だと思って欲しがったとか?
もうひたすら頭を下げてきたよ。
「そんなに謝らないで下さい。次に武器屋へ行きたいんですけど。信用出来るお店を教えて頂けますか?」
「おお!それでしたら次の辻を右に行くと5軒目にございます」
お団子ザーニにお礼を言って、店を後にした。
泥棒少年少女たちはまだザーニの装備屋の周辺にいる。
一応近くで見かけた警備隊員に銀板を見せて『装備屋の周囲に、客を品定めしている子供たちがいる』と伝えといた。
アリステイド大陸とは違い、此処は『階級制度』の世界だから『胡散臭い』私でも銀板を見せれば身元は保証されたようなもの。
『銀板所持者』の指摘だもん。
これで『厳重に監視』がつくよね?




