第245話
露店巡りを再開していたら『少年少女スリ合掌団』が『団体さま』で戻って来る様子。
なんか、さっきより人数が倍近く増えてるし。
連中をやり過ごすために、近くの『装備屋』に入った。
「いらっしゃいませ。お客様。・・・失礼ですが身分証の提示をお願いします」
ああ。今着てる服は『一般市民の旅装』だっけ。
『ビンボー人は入るな』ってか。
普通に『銀板』を見せると、「え?銀板?!」と慌てたあとペコペコと態度を変えてきた。
・・・その態度。客に対してマジ失礼だろ。
「本日はどのような装備をお探しでしょうか?」
「んー?『魔法付与』や『魔法耐性』『魔力付与』とか付いてれば。あんまり装備っぽくないやつがいいや」
店の中を見回していたら、『鑑定』に引っかかった装備を発見!
・・・どこかで見たような水色のポンチョと白色のコーディガン。
どちらも『防刃』とか『防マヒ』とかありとあらゆる全ての『防攻』や『防魔』など、『これでもか!』というくらいに『防』がついている。
その上『防寒』や『防熱』『防塵』って・・・
「これら着てたら『無敵』じゃん」
「実は、こちらの装備は『相手を選ぶ』と言いましょ・・・うか?」
あ、ゴメン。勝手に着ちゃいかんかった?
この世界って『試着』って概念ないの?
こっちの様子を見てた店員全員がポカンと口を開けてるんだけど・・・
アレ?でもそこに『試着室』ってあるよね?
鏡の前でコーディガンを試着して、次に試着する予定のポンチョを手にしただけなのに・・・
「おおお!!!」
ん?どっかで聞いた唸り声・・・
振り向いたら『オッチャン団子』がそこにいた。




