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第234話



戴冠式も滞りなく終わり、晴れて『国王』となったジタン。

パーティー開始直後から始まった『堅苦しい挨拶』合戦も、ジタンの表情が強ばって固まる前に無事に一段落ついた。

周りより数段高い場所にある玉座に座っていても会場が見渡せる。



はじめは小さな『いざこざ』だった。

だがそれはすぐに収まったようだ。


そして今。

何度も此方の様子を確認しては『挨拶合戦』が続いているのを見て諦めていた少年は、それが落ち着いたのに気付いたようだ。

此方へ向かっていた少年が『何もない場所』で転んだ。

すぐに近くにいたヨルクが同族の青年にゲンコツを落として、少年を抱き起こし、それから抱き上げた。

どうやら少年が転んだ事には青年が関係しているようだ。


その様子をジタンは玉座からハラハラしながら見ていた。

今日の『主役』は自分だ。

そんな自分が自ら動けば『騒ぎ』になってしまう。


・・・それだけは『どうしても』避けたかった。





「よお。ジタン。ヒマそーだな。一応『代表』連れて挨拶(からかい)に来てやったぜ」


ヨルクと共に翼族族長のエレアルと次期族長のロントが一緒だ。

そしてヨルクの腕には少年が抱かれていた。


エレアルの『堅苦しい挨拶』が先に終わる。

「ご丁寧にありがとうございます」とこちらも堅苦しい挨拶を返す。




「ほらよ」とヨルクにおろされた少年はパタパタ〜とジタンの前に行き「ジタン!王さまおめでとう!」と笑顔で簡単な祝辞を述べる。

それでも、これまで贈られた『誰のどんな祝辞より』も一番嬉しかった。

その様子にジタンの顔には自然と笑みが浮かぶ。



「ありがとうございます」






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