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第23話




アグラマニュイ国から遠足かピクニックかハイキングにでも来たつもりの集団は、治療院のお世話を受けてから牢屋を宿泊場所に決めたそうだ。

修学旅行?慰安旅行?に変更となったらしい。

頑なにアグラマニュイ国の宰相一派を信じてる隊長は、拘束具付きで牢屋の中が確定してたんだけど、他のコロッと寝返った連中も『私にいわれたこと』を牢屋の中で反省したいと申し出たそうだ。


「真偽も確かめずに動くって・・・やっぱり『首から上』は要らないんじゃない?考えない『使わない』んだからさー」


「人間でいる必要もないんじゃない?右に顔を向けて引っ張れば考えずにいうことを聞くんでしょ?その先で『解体』されて『食肉』にされるのも気付かずに」


私に指摘されたことで『反省タイム』がほしいそうだ。


「良いんじゃない?」


ジタンからどうするか聞かれたからそう答えた。

「誰かに指示されたわけではなく、自分で考えたんでしょ?『一歩前進』じゃん」と言ったら、ドリトスとセルヴァンも賛成してくれた。


やっぱりというか・・・

彼らは私を『乙女』と勘違いしていたらしい。

そのため3人が『『乙女』の護衛をしている』と思っていたようだ。


「私のこと聞いてないの?」と言ったらアグラマニュイ国では『乙女の存在を隠すための偽り』だと勘違いしているらしい。

それで『隠すなら奪おう』となって彼らが送られてきた。

「・・・ってことは、先日の『天罰騒動』の詳細を知らない?」と聞いたら、ウワサ程度しか知らないらしい。

そのウワサも「エルフが無謀にも上位の神にケンカを売ったらしい」だって。

・・・間違ってはないな。


丁度王都に入った所だったので、治療師の治療を受けられたそうだ。

神様たちの話では、放っといても3時間ガマンすれば、一応は回復出来てたらしいけどね。


ジタンには『連中を国に戻す時は『国境まで護衛』した方がいい』と伝えといた。

国内で『解放』した後で『誰か』に殺されたら、『責任問題』で『国家間問題』になるよ、って。

ジタンは固い表情で頷いていた。




そして私はいま、セルヴァンに抱かれた状態で自室へ向かってる。

自分の周囲1センチ以上の空間の浄化をしていないから『(おり)』が溜まりにくいのと、神々が部屋を清浄化してくれるからマンションに戻らないでいられたけど。

さすがにこちらに来てから『色々』と起き続けて、熱が出てしまったようだ。


真っ先に気付いたのは、『安全ベルト』で私のお腹に腕を回していたセルヴァン。

密偵たちが連行されて4人だけになったら、すぐに指摘されたよ。

『ひざまくら』の時から「いつもより少し熱がある」って感じてたらしい。

・・・自覚なかったんだけどなー。


そして指摘されて熱を自覚してしまい、身体がダルくなってしまった。

あー。体温計、ウチの部屋だわー。って思ったら、『ハンドくんが持ってきてます』だって。

さすがハンドくんだー。




「さくら?」


セルヴァンはさくらの部屋に向かってた足を止め、腕の中の少女を見る。

熱が上がって息が苦しいのか、短い呼吸を繰り返す。

「だいじょーぶ」と返してきた声も小さく弱々しい。


「セルヴァン。まずはさくらを部屋に。あとは神々に任せるしかない」


ドリトスに促されて止めていた足を動かす。

少しでも早く、揺らさないように注意して。




部屋に着いた時には、自分の部屋に置いていた解熱剤と水が用意されていた。

環境にあわせるために細胞の変化はしたけど、基本の細胞は変わってないため、これらの薬は今まで通りに効くらしい。

セルヴァンがベッドに寝かしてくれた後、『清浄(クリーン)』魔法をかけてくれた。

おかげで汗が消えて全身がサッパリした~。

ありがとセルヴァン!

ハンドくんに体温計を脇の下に挟まれたら『40度を越えてまっせ~』。


・・・見たら余計に熱が高くなった気がする。







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