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第228話



ヨルクは『言える範囲』で話をした。

『ハンドくんの制裁』は『神の制裁』と変えて。

『下層大陸』ではなく『何処かの洞窟にある最深部で一生罪を償っていく』と変えて。



「ヨルク・・・貴方、その『制裁の場』に・・・」


「ああ。立ち会った」


オレやジタン、セルヴァンとドリトス様も一緒だ。

おそるおそる聞いてきたベロニアに答えるヨルクにジタンは頷いて同意する。


「それっていつ?」


「さくらが熱を出した日」


ヨルクの返事にヒナリが「そういえば、あの時みんな出掛けたわね」と納得する。



「ヒナリは行かなかったの?」


「ええ。さくらが寝てたから」


ベロニアに聞かれたヒナリは『至極当然』という表情で答える。


「私たちは誰もさくらを1人で残したりしないわ」


そう。

あの広い部屋にさくらは『ひとり』でいた。

それを聞いて以降、どんな短時間でも『さくらを一人にしない』と心に誓った。

ヨルクやヒナリは、ドリトスやセルヴァンのように役職を退いても様々な『残務整理』がある訳ではない。

あるのは『屋上庭園』と『温室』にある植物の世話だ。

そこには『さくらの世界』の植物が、ジタンとヨルクの研究のために置いてある。

そのため、さくらを連れて行くとその植物の話や歌を聞かせてもらえるメリットもある。

逆にデメリットは、話に夢中になり『世話が(おろそ)かになる』点だろう。


そしてハンドくんに『お仕事のジャマをしてはダメですよ』と頭を撫でられながら(たしな)められて芝生へ移動させられる。

その後ろで、ハリセンを受けるヨルクとヒナリだった。

移動した芝生に座ったさくらは、妖精たちと一緒に歌ったり遊んだりして楽しそうにしている。

その様子を微笑ましく眺めていると、『手が止まっています』と再びハンドくんにハリセンを受けるのだ。




「そうですね。・・・今もセルヴァン様とドリトス様がおそばに?」


「いえ。今日は『神々』がご一緒に」


「今日は皆様ご一緒にリビングで過ごされてらっしゃるのですか?」


「ええ。セルヴァン様もドリトス様もお忙しいみたいで朝からいらっしゃらないの。だから、私たちが帰るまでは皆様がさくらのそばでお過ごしになられているわ」


ジタンとヒナリの会話にシルバラートたちは目を丸くする。

2人は『神々』が一緒にいるのが当たり前のように話をしているのだ。



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