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第226話




カトレイアの言葉に弟妹たちの表情も暗くなる。

ジタンの提案で、とりあえずソファーに座って落ち着いてから話をすることになった。


ジタンの横にヨルク、その隣にヒナリ。

3人の前にはカトレイアを中心に両隣に弟たち。

その外側に妹たちが並んで座った。

カトレイアとシルバラート以外は俯いているため雰囲気は暗い。



「ヨルク。ヒナリ。・・・2人の家族や『マヌイトア』の人たちを殺したのは・・・」


「ああ。知ってる」


「・・・・・・え?」


ヨルクの言葉に、俯いていた弟妹たちも驚いて顔を上げた。

その様子にヨルクとヒナリは顔を見合わせて苦笑している。

ヨルクがヒナリに頷いてからシルバラートたちに顔を向ける。


「オレたちも、『マヌイトア』のみんなも・・・翼族は全員知ってる」


ボルゴが・・・『ボルゴと仲間たち』が『獣化』して、マヌイトアや獣人族の村を襲っていたことを。

だから、連中が『国外追放』されて以降、魔獣の襲撃被害が減少したのだ。


ヨルクの『告白』で、逆にシルバラートたちの方がショックを受けたようだ。


「なぜ・・・」


アムネリアがヨルクと隣に座るシルバラートを交互に見やる。

弟妹たちはつい先日、カトレイアとシルバラートに『真実』を聞かされたばかりだったのだ。

そしてリンカスタの『目論見』も。

そのことに薄々気付いていたソルビトールとベロニアは「やっぱり」と頷く。

ただ一人。

そのことに気付かず、純粋に彼女を慕っていたアムネリアのショックは大きかった。

しかし、ソルビトールとベロニアでも『ヨルクたち翼族が『真実』を知っている』とは思いもしなかったようだ。

アムネリア同様、目を丸くしてヨルクとヒナリを見つめていた。


そして、その様子にヨルクとヒナリも驚いていた。



「『なぜ』って言われても・・・ねえ?」


「ああ。オレたちはセルヴァンから直接謝罪されたんだ」


そう。

ボルゴたちが『国外追放』された直後に、セルヴァンは被害を受けたすべてのマヌイトアに足を運び、説明と謝罪をして回ったのだ。

だから逆に『セルヴァンの子供たち』がその事を知らなかったことに驚いていたのだ。

しかし、当時の彼らはまだ幼かった。

末のアムネリアがヨルクたちの『ひとつ上』。

長子のカトレイアでも『10(とお)』は離れていない。

当時のことをセルヴァンたち大人から聞かされていなくてもおかしくはないだろう。



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