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第220話



一階までひと通り見て回ったさくらたちは、『元・応接室』にいた。

この部屋に置かれていた堅苦しい『応接セット』は一掃され、ソファーやカウチ、ローテーブルなどカジュアルな姿に一変していた。


「あー!『ハンモック』まであるー!」


従来の吊り下げ式や自立式、そしてハンモックチェアも設置されていた。

さくらは吊り下げ式のハンモックに駆け寄る。

すぐにハンドくんたちがハンモックを動かないように支えてくれて、さくらは「わーい!」と喜びながらハンモックの中にコロンと寝転がる。

ハンモックの軽い揺れがさくらの眠気を誘うが『お昼ごはんは寝転がったままでは食べられませんよ』と言われて慌てて起き上がる。

身体を起こしたものの、まだ自分で揺れて楽しんでいるさくらを、セルヴァンが苦笑しながら迎えに行き抱え上げる。


「ゴハン食ったら『外』に行こうぜ」


「さくらは暖かくしないと風邪を引くから気をつけなきゃね」


「気を付けるよな〜。『(にっが)〜い風邪薬』を持ったハンドくんに追い回されたくないもんなー」


セルヴァンの横のイスにおろされたさくらに、ヒナリとヨルクが声をかける。

ヨルクの言葉に、また慌ててイヤイヤとクビを左右に振るさくら。

そんなさくらの頭をセルヴァンは撫でる。


「大丈夫だ。さくらが風邪を引いたら『ヨルクとヒナリ(あの2人)』もハンドくんからハリセンを受けるからな」


「なんでオレたちが!」


セルヴァンの言葉にヨルクとヒナリが慌てる。


「さくらはお主たちにとって何じゃ?」


「「雛!」」


いつものドリトスの質問に、2人はいつも通りに声を揃えて答える。

その『やりとり』にようやくジタンはセルヴァンの『言葉の意味』に気がついた。


「ああ。さくら様はお二方の『雛』ですから・・・『風邪を引かせたら親の責任』ということなんですね」


ジタンの言葉にヨルクとヒナリが「「あっ!」」と顔を見合わせる。

「そういう事じゃ」と笑うドリトスは隣に座るさくらに「『身体を暖める魔法』は何か使えるかね?」と尋ねる。


「んー。・・・ハンドくん。何か『心当たり』ある?」


『『カイロ』をイメージしてみたら如何でしょう?』


「カイロかー。あれは『鉄が酸化する熱』を使ってるんだよね」


『それでしたら『地魔法』ですね』


「『鉄を含んだ石』を(あった)めるのは?」


『昔のカイロで『温石(おんじゃく)』ってありましたね』


「それもやっぱり『地魔法』だね」


さくらとハンドくんは次から次にアイデアを出していく。

そのやり取りにジタンは目を丸くしていた。

さくらとハンドくんは『構造』や『仕組み』も知っている。

それを『土台』として次々と『最適な魔法』を選んでいくのだ。





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