第219話
ドリトスとセルヴァンは2人ともさくらの召喚された日に此処にいた。
もし『召喚部屋に人が配置されていない』ことに気付いていれば・・・
あの時の国王たちを見ていれば『配置されていない』ことはすぐに気付けたハズだ。
その事を何度も後悔していたのだ。
ジタンも父王たちが瘴気にあてられて変わっていることに気付いていた。
しかし『自ら動く』ことを怠った。
召喚部屋に人が配置されないのなら、自分が召喚部屋で『女神に愛されし娘』を待てばよかったのだ。
そんな簡単なことすら気付かなかった自分も、父たちと同じように『瘴気にあてられていた』のだろう。
今も思う。
『父の罪は自らの罪』なのだと。
そして先日の『ボルゴ事件』でドリトス様がセルヴァン様に仰った言葉。
「『罰』を受けないのもまた『罰』じゃ」
その言葉はジタンにも深く突き刺さった。
そしてジタンはヨルクと共にさくらの世界の本を読み、『光合成』という言葉に気付いた。
そして『教科書』で詳しく勉強をした。
さらに先代の聖なる乙女が生きていた『沖縄戦』の本や写真集をはじめ、『当時の本』をハンドくんに贈られて次々と読み続けた。
執務補佐官も数冊読んで目を充血させていた。
先代の乙女に対して行っていた無礼を後悔したが、謝罪はもう届かない。
『後悔先に立たず』
さくらの本で知った『ことわざ』だ。
それを『身を持って知った』のだ。
そして二度と『同じ過ち』を繰り返さないと歴代の『聖なる乙女』たちの墓前で誓った。
そして『計画を実行』させたのだった。




