第208話
神殿に神々が罰を下すのか問い合わせようとした国もあった。
しかしその前にエルハイゼン国から『神々は主犯8人に対し罰を下された』と連絡がきた。
それは『他の者たちは自分たちの手で裁いて良い』ということだ。
貴族たちは『子供を買う金があることが問題』として財産没収。
平民に格下げされた。
『没落貴族』という不名誉な肩書きがつくのだ。
市井という『見えない檻』の中で、民衆という『監視者』に見張られて生きていくのだ。
『檻の中の囚人』よりツラい立場だろう。
そして領主たちは領民から『恥さらし』のレッテルを貼られた。
そして領民たちは国王に『領主の交代』を願い出て認められた。
後継者がいる者は領内の塔に幽閉された。
後継者も関与してた者や後継者がいない者は王都に送られて『懸案塔』に幽閉させられた。
どの国にも『懸案塔』はある。
それは『神の罰』という解決がまだつかない貴族以上の者たちが罰を受けるまで入れられる塔だ。
『罰』を受ければ、その程度にあわせて神殿の地下などに移動させられる。
塔から終生出されないのは王族と王政にかかわった者だけだ。
そして国際会議が繰り返された結果。
『コーティリーン国』は完全消滅が決定した。
『過去の事件』で『国としての機能』は既にない。
今は『研究施設』が『コーティリーン』の名を継いでいるだけだ。
その研究施設も今回の誘拐事件にかかわっていた。
研究施設はエルハイゼン国とセリスロウ国の国境に移築されて元の施設は徹底的に破壊された。
以前からさくらに『エルフ族は瘴気に弱いかも知れない』と指摘されていた。
そのため『エルハイゼン国から一番遠い』場所から『すぐ隣』に移築することで『瘴気の影響』を抑えることにしたのだ。
それと同時に各国の『監視の目』が集まる場所となった。
研究施設が残されたのは、飛空船や鉄道など今までの研究結果は評価されるものだからだ。
ただエルフ族は寿命を30歳にまで減らされている。
そのこともあり、研究員は全種族から集められることになった。
そしてここの警備は『さくらの親衛隊』が受け持つこととなった。
彼らは『さくらのため』なら、『権力』だけでなく『瘴気の影響』ですら跳ね返す強い精神を持っているのだ。
これからは『コーティリーン』の名はもとの地に残る『地下迷宮牢獄』をさすだけになった。




