第207話
この事件以降、外交官と言えども出入国時には『鑑定石』で鑑定を受けることになった。
外交官や特使から反対の声が出るかと思われていたが、それは杞憂に終わった。
自ら疚しい所がないと証明するには『鑑定を受けるのが一番』と誰もが挙って賛成したのだ。
問題はコーティリーン国だ。
他族を・・・特に『人族』を見下しているのは『天罰騒動』以前から周知の事実だった。
だから『さくら様襲撃事件』でエルハイゼン国の王城を攻撃した事に驚いた。
しかし、何となく「ああ。とうとう『やらかした』か」と納得もしていた。
そして今回発覚した『人身売買事件』。
それにまた『さくら様が狙われた』事が知れ渡った。
国をあげて一斉に『家探し』して回ったのだ。
流石に上位貴族たちの中からは反感が出た。
突然兵士が30人と役人10人の『1チーム』が押し寄せて来て「今から屋敷内を『家探し』させて頂きます。これは国王命令です」と言われても「はいどうぞ」と招き入れられる訳がない。
その時にまだ秘匿だった『さくら様誘拐未遂事件』の話が持ち出されて「これは『さくら様』の御身を守るためです」と言われると誰もが納得したのだ。
さすが『さくらの親衛隊ネットワーク』だ。
・・・しかし『秘匿情報』にもかかわらず『さくら様』がかかわっていると『秘匿』にならないことも判明した。
そして呆気なく『人身売買』がバレて捕縛された貴族も多かった。
貴族たちは『さくら様の敵か否か』と問われてすんなりと『誰から買ったか』を自白。
そして『奴隷を買い替えて不要になったら『回収』する』という施設が複数あると判明した。
その施設をすべて調べたところ、後ろに『コーティリーン国』がいたのだ。
ちなみに『回収された子供』はいなかった。




