第201話
しかし国外追放処分になったボルゴたちには、『さくらの世界』のサルやイヌ、ネコなどの動物たちでさえ出来る『反省』が出来なかった。
そんな知能さえない『低級脳』だったのだろう。
そのような男が何故『賓客』としてエルハイゼン国にいたのか。
・・・それこそ『人身売買』が関係していた。
他国の貴族からの『口利き』で『外交官補佐』となっていたのだ。
その貴族も『顧客』なのだろう。
そして『外交官補佐』として『特権』を使って各国を入出国していた。
その荷物の中に『子供たち』が隠されていたようだ。
ではその彼らを庇護していた国は何処か。
それがコーティリーン国・・・エルハイゼン国と確執のある『エルフ族』の国だった。
エルハイゼン国は国交を絶った国に招待状は送っていない。
しかしアグラマニュイ国に駐在する獣人族の外交官に送られた招待状が、どのような経由を経てボルゴの手に渡ってしまったのか分からなかった。
後の調査で判明した事だが、ボルゴはセルヴァンが『女神に愛されし娘』召喚の話を聞いてエルハイゼン国に来る直前に、アグラマニュイ国に『外交官特権』を使って入っていたのだ。
本人の『なけなしの名誉』のために証言すると、決して『獣人族族長が怖くて逃げ出した』訳ではない。
・・・『新たな被害者』を物色するためにアグラマニュイ国に入国したのだ。
そしてアグラマニュイ国では『獣人国の外交官補佐』を騙っていたらしい。
エルハイゼン国以外とは国交の少ないアグラマニュイ国では国内にいる数少ない獣人族が『セリスロウ国以外の外交官補佐』になっているとは思いもしなかったのだろう。
そしてエルハイゼン国でも『アグラマニュイ国に滞在しているセリスロウ国外交官宛の正式な招待状』を持った獣人一同がまさか『ニセモノの外交官』だとは思いもしなかったのだ。




