表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/449

第165話



ドリトスに支えられながら足を交互にゆっくり動かして『足踏み』をする。

足の裏でタタミの感触を確かめたりしていると、ハンドくんから『そろそろ座ってください』と注意される。


「さあ。さくら。少し休もうかね」


「はじめから無理をしたら、また熱を出して寝込んでしまうぞ」


ドリトスに止められて、近付いて来ていたセルヴァンには抱き抱えられて、ソファーで横抱きの『膝だっこ』をされてしまう。

さくらは「うー。まだやりたーいー」とワガママを言うが、セルヴァンに抱き締められてドリトスに頭を撫でられて大人しくなる。


2人はワガママを言うさくらにひと言も言っていない。

ただ黙ってそばにいるだけだ。



「・・・今日はもう『おしまい』?」


「そうだな」


「・・・また明日?」


「そうじゃな」



さくらは自分を納得させるためか、2人に確認していく。


「お昼を食べたらハンドくんたちと『夕飯作り』をするんじゃなかったかね?」


「疲れて眠ってしまったらそれも出来んぞ」


『それ以前の問題ですね』

『さくらには頑張ったご褒美として『10時のおやつ』を用意したのですが、「10時のお昼寝をするからいらない」のでしょうか?』


「ダメー!いるー!寝ないもん!」


『それでは何方(どちら)で食べたいですか?』


ハンドくんたちが大きな箱を2つ見せる。

途端にさくらの目が輝く。


「アイス!」


『ソフトですよ』


「トッピングあり?」


『用意してありますよ』


「じゃあコッチ!」


さくらは『ワッフルコーン』を指差す。

ハンドくんとの会話中に座卓の上が片付けられていく。

そしてドリトスとセルヴァンの間に座椅子が用意されて、セルヴァンはさくらをそこに座らせる。

するとハンドくんがソフトクリームを持って現れる。


『バニラです。トッピングは何がいいですか?』


「カラースプレー!」


ハンドくんがソフトクリームに、色とりどりの小さなチョコレートを振りかける。


「わーい!ありがとうハンドくん!」


両手で受け取ったさくらはそのままパクリと口にする。


「おいしー!」


満面の笑みを浮かべるさくら。

鼻の頭が白くなっているのは、コーンについていたソフトクリームがついたのだろう。

ハンドくんに鼻頭(はながしら)を拭かれて、スプーンを渡される。

他の4人にも同じバニラソフトが出される。


『今日はバニラしか用意できませんでしたが、後日には様々な味のソフトをお出しします』


「なんでも?」


『はい。チョコやストロベリー、ゴマや抹茶など準備しています』


「コアラやゾウさんのソフトは?」


『ご希望とあらば』


「ハーイ。食べたいでーす!」


スプーンを握った手を上に伸ばす。

そんなさくらの頭を、ハンドくんは優しく撫でて約束をする。


『分かりました。後日お作りします』


動物園でよく食べていたアレンジのソフトが食べられると知り「ヤッター!」と大喜びのさくら。

ハンドくんと笑顔で『ゆびきり』もしている。

そんなさくらの頭を優しい表情で撫でるドリトス。

セルヴァンは「また『頑張る楽しみ』が増えたな」と笑う。



その様子を向かい側に座るヨルクとヒナリは黙って見ていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ