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第160話




【 あなた方には『さくらと共に生きる』。そう選んでもらえただけで十分です 】

【 さくらのそばで、こうやって見守っている 】

【 神はあなた方に『それだけ』を望んでいる 】


この世界の言語で書かれたハンドくんの言葉に、ドリトスとセルヴァンは目を丸くする。

なぜ。神は自分たちがさくらのそばにいるだけでいいと思っているのか?


【 神はただ『さくらといたい』だけ 】

【 しかし『神』という存在である以上、『さくらだけ』に『肩入れ』することは出来ない 】

【 だからこそ『国』や『種族』を越えて、『さくらのこと』を一番に考え『さくらのこと』を真っ先に守れる存在が必要 】


確かに『肩書き』や『立場』から解き放たれて、(こだわ)りや(わだかま)りを無くした自分たちなら『さくらを最優先』に出来るだろう。


「ワシらは何をすれば良いのかね?」


【 なにも。『今まで通り』で構わない 】

【 さくらが『さくららしく』過ごせるようにして貰えたらそれでいい 】


それなら自分たちでも手伝えるだろう。


さくらを中心にワイワイガヤガヤと賑やかに。

時には『セルヴァンのゲンコツ』や『ハンドくんのハリセン』付きで。

ドリトスはさくらの頭を撫でながら『これから』のことを思い浮かべる。


「きっと『騒々しい未来』が待っていますね」


セルヴァンも同じことを考えていたのだろう。

眠る3人を見て苦笑している。


「さくらと共に作る『未来』じゃ。『さくらのため』ならそれも楽しいじゃろう」


「えぇ。そうですね」


ドリトスはさくらのする事したい事に口を挟まない。

ただ楽しそうに『見守る』だけだ。

その代わり『何かあったらすぐに助けられる』ように、誰よりも細心の注意を払っている。


だから数時間前。

ヨルクが落としかけたさくらを抱きとめることが出来たのだ。


「ハンドくん。神々に伝えてもらえるかな?『我々4人。微力ながら尽力させて頂きます』と」


【 分かりました。これからもさくらの事を宜しくお願いします 】


「もちろん。ハンドくんも今まで通り頼むよ」


【 はい。お二人ももう少しお休みください 】


「しかし俺のはこいつらに・・・」


「セルヴァン。ハンドくんは『出来ないこと』は言わぬよ」


そう言われてドリトスの目線の先、自身が座っている布団の足元を見る。

そこには新しい掛け布団が二つ折りで畳まれて置かれていた。


さくらたち3人はさくらの布団で寝ている。

ヨルクが寝返りをうったときにドリトスに迷惑がかからないよう、ドリトスの布団は離してある。


ヨルクは一人寝のときは寝返りをよくうつ。

しかし、今のようにさくらとヒナリが一緒のときは一度も寝返りをうたない。

それはヒナリも同様だ。

さくらは2人の『抱きまくら(ダッちゃん)』になっているようだ。


ドリトスとセルヴァンは各々(おのおの)の布団に寝転び目を閉じるとすぐに眠りについた。





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