第159話
「ふ、ぇ・・・・・・」
「さくら。どうしたんじゃ?」
「大丈夫か!」
さくらが『泣きながら』目を覚ました。
それに神々と会って話をしたことで脳が『興奮状態』になり眠れない4人が慌てて身体を起こした。
4人の脳裏には『記憶障害』が過ぎっていた。
しかし・・・
「ふぇ・・・。ヨルクが私の『牛乳ソフト』食べたぁー」
「なんだよ。それ・・・」
さくらは寝ぼけていただけのようだ。
心配が空振りに終わり、ヨルクはドッと疲れが出たようで布団の上で『大の字』になって寝転がる。
「えーい!」
声のした方へ枕を持った手を伸ばすと、ちょうど仰向けになってたヨルクの顔面に直撃したようだ。
「ぶふぇ・・・!」
「わーい!『ソフト』のしかえし~!」
仰向け状態で楽しそうに両手を叩いて喜ぶさくら。
「やったなー!」
「きゃ~」
タオルケットでさくらを包んで、そのまま後ろから抱きしめて固定する。
「あ~。温い。このまま『もうひと眠り』しよーぜ」
「やーん。ヒナリ~」
さくらはヒナリに助けを求めるが、ヒナリも寝転がってさくらを前から抱きしめる。
「あー。ホントにさくらったら暖かいわ~。まだ早いから、このままもう少し寝ましょ」
ヒナリが目を閉じるとそのまま眠ってしまう。
ヨルクもさくらとヒナリを抱きしめたまま目を閉じる。
さくらも2人の温もりに包まれて、いつの間にかウトウトと眠りだした。
セルヴァンはそんな3人に、自分の使っていた掛け布団を掛ける。
布団はひとりずつ大きさが合わせてあった。
2メートルを超えるセルヴァン用の布団は、誰よりも大きなサイズだ。
3人に掛け布団を掛けても十分な大きさだった。
ドリトスは眠るさくらの頭を撫でる。
「お主は昨夜の神々の話を聞いてどう思ったかね?」
「・・・『さくらは神々に深く愛されている』と」
「神々はワシらを信頼して、大切な『愛し子』を預けてくれておる。ワシらはその『信頼』に応えられておるのかのう」
セルヴァンもそれを考えていた。
近くにいたにもかかわらず『呪い』に気付かず、さくらを苦しめてしまった。
そんな自分たちは神々に『信頼をされていない』のではないだろうか。
だから神々は『さくらのそばで見守りたい』のでは・・・




