第15話
「ところで『聖なる乙女』はいつコチラヘ?」
ハンドくんが作ってくれたサンドウィッチをつまみながら、創造神に聞いてみる。
ちなみに此処は、エルハイゼンに用意された『私の部屋』。
王宮の中にある『貴賓室』が、私の部屋としてあてがわれている。
広い部屋が3部屋。
応接室、リビング、寝室。
奥には広い浴室もある。
リビングの広い床にラグを敷いて、テーブルを置き、くつろいでいる姿はマンションと似ている。
違うのは部屋に鉄扉があることだ。
鉄扉は開いていてマンションに繋がっている。
ハンドくんたちは、マンションで料理を作って運んでくれている。
今度、ドリトスとセルヴァンに食べてもらおう。
こちらの世界に似た料理があるのかとか、味覚が一緒なのかとか知りたいから。
ラノベだと『塩がない』とか『塩味しかない』とかあるからね。
逆に味覚が似てるなら、市井の屋台で食べ歩きも楽しいだろう。
「候補は見つけた」
だがキミが『改革』してる間は連れて来れないな、と笑われた。
確かに連中の恨みは私に向ける気でいるから、この場に乙女が来たら巻き込まれかねない。
それに『私が連中の態度に怒っていなくなる』事で、乙女が居なくなると困る此処の連中の、今までの乙女への接し方を改めさせるためだ。
「私がいなくなったら、また『乙女は替えがきく』って思われるのもムカつくなー」
何か『失礼な発言』があったら、落雷とかを直撃させる魔法でも使おうかな~。
庭に落雷を落とすとか。外にいたら立ってる真横に落雷を落とすとか。
落雷も『雷属性』と『光属性』がある。
ちなみに『雷属性』は『光属性』のひとつだ。
『雷属性』の『上位魔法』が『光属性』なのだが・・・
この世界では、四元素の『初期魔法』と同じ段階で、『回復魔法』や『治癒魔法』を覚えることが出来る。
『上位魔法』は、ただ単に『属性を持って生まれる者が少ない』というだけらしい。
「ビリビリさせるなら『雷属性』だけど、周囲も巻き込まれるよなー。でも『同罪』で巻き込んでも良いかな?」
『光属性』は直撃すると危ない。
はっきり言って熱光線に近い。
直撃すれば『焼滅』しかねない。
・・・この大陸では使えないわ。
「『直撃させない』なら使っても良いんじゃないか?」
ああ。脅しで使うなら良いかもね。
地面に『焼き焦げ』を作れば脅しに最適だね。
「彼女をあおらないで下さい!」
エー?
でも『可視化』の脅しには最適だと思うよ?
「本当は火傷させたいんだけど」
『ホンネは?』
「レイソルあたりを一人、焼滅に・・・」
『よっぽど嫌いなんですね』
うん。『消滅』させたいくらいに。
満面の笑みで答えた私の向かいの席で、腕を組んで目を閉じている創造神がウンウンと頷いてるよ。
『天罰でも与えてやろうか』
『アヤツには運良く後継者もいるし』
『アレと似ず賢い子だよ』
じゃあ、レイソルの手足を一本くらい焼滅させても良いよね。
それくらいなら死なないし。
賢い子なら譲位させて・・・ああ。でも生きていたら、口出ししてくるから邪魔だよね。
「やっぱり殺るか」
「ダメですって!」
必死に止めるアリスティアラの様子に、私や創造神、姿を隠してサンドウィッチを食べていた神々は大笑いした。




