第148話
ハンドくんが出してくれた『ハニーホットミルク』を飲み終えたさくらの目はもう半分閉じだしていた。
「さあ。そろそろ寝ようかね?」
ドリトスに頭を撫でられたさくらは無言で頷いて、そのままコテンとドリトスに凭れる。
その様子にドリトスは苦笑して、さくらを抱き上げると『さくらの部屋』へと運んでいく。
先ほどまで過ごしていた部屋の隣に『新しい部屋』があり、何かが床に並べられていた。
これが『お布団』なのだろう。
3つの布団が同じ方向に並べられて、残りが頭を向かい合わせになっている。
そして3つ並んだ真ん中の布団に『ダッちゃん』が置かれていた。
この並びだと、誰もが『さくらの寝顔』を見ることが出来るのだ。
「ダッちゃ~ん」と言いながら抱きまくらを抱きしめた寝間着姿のさくらはそのまま夢の中。
左右にドリトスとヒナリが陣取り、ドリトスの頭側にセルヴァン、向かい合う布団にヨルクが寝ることに。
誰もが布団に潜り込んで、左側を向いて眠るさくらの寝顔を見ていた。
ハンドくんが部屋の電気を消すと藺草の香りで4人もすぐに眠りについた。
夜中に目を覚ましたさくら。
上半身を起こすと各々の布団にみんなが寝ているのを確認してニコリとする。
でも小首を傾げるとキョロキョロと周りを見回す。
『ハンドくーん』と思念で呼ぶとすぐに現れて、さくらの身体を持ち上げるとリビングへと連れて行く。
「あー。やっぱりいたー」
「あら?起きてきちゃったの?」
リビングでは以前のように神々が寛いでいた。
「『やっぱり』って事は気付いていたのか?」
「うん。ごはん食べにリビングへ戻ったときに」
あの時さくらがキョロキョロしていたのは『神々がいた痕跡』を辿っていたからだった。
ハンドくんたちは創造神の右足を枕にしてさくらを寝かせる。
『ダッちゃん』をさくらに渡すのも、タオルケットを掛けるのも忘れない。
「・・・おい」
「創造神様に『ひざまくら』してもらうの?良かったわね~」
「『吉夢』が見られるぞ」
神々の言葉にさくらはニコニコ。
その様子を見ていた創造神は黙ってさくらの頭を撫でた。




