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第14話



「大丈夫ですか!」


目を覚ますと同時にアリスティアラが飛びついてきた。


「コラ。絞め殺す気か」


ほどほどイケメンの男性に無理矢理引き離されるアリスティアラに苦笑しつつ、上半身を起こして周りを見回す。

あらまあ。美男美女だらけで目の保養♪


「もしかして・・・もしかしなくても。皆さん『神様』ですかね?」


私の言葉に最初は『もう。何言ってんのよ、この子は~』って気配だったのが、一瞬で静止画像(フリーズ)化。

慌てて姿を隠したけど「もう遅いですって」と笑ってたら、隣からため息が聞こえた。

ありゃ。この男神(めっちゃイケメン)、アリスティアラと残ってるわ。

「えーっと・・・『創造神』でしょうかね?」と聞いたら、『ピンポーン』とチャットで返信がきた。


「お初にお目にかかります。この世界では『さくら』と申します。ベッド上から失礼します」


「いやいや。ウチの女神が『大変』ご迷惑をおかけしまして。『本当に』申し訳御座いません」


ありゃりゃ。創造神から頭を下げられちゃった。

それに所々ですごい強調が出てたぞ。

またアリスティアラが泣きそうな顔をしてるし。


「ところで・・・ここはどこ?」


アリスティアラに質問してみる。

続けて『私はダレ?』と言いたかったけど、目を覚ました時のアリスティアラの様子から、心配させすぎたみたいで・・・

流石に『冗談』でも言ってはダメだなって。



「魔物たちを魔石に戻したのは覚えていますか?」


思わず『覚えてい~ますぅか~』と古い歌を歌いかけたら、ハンドくんに口を塞がれた。

だから首を上下に動かして首肯する。

創造神が私の頭に手を乗せると、『その後』の風景が第三者の目を通して見ることが出来た。



意識を手放した私をセルヴァンが慌てて抱きかかえ、何度も身体を揺すったりしていた。

ハンドくんに気付いたドリトスがセルヴァンに指示して、セルヴァンが私を抱えてハンドくんとドリトスについて廊下へ。

そのままどこかの部屋まで私を運びベッドに寝かせたら、2人はハンドくんたちに部屋から押し出された。


「そして神様たちがついていた?」


「世話をしていたのはハンドくんたちですけどね」


「精神的な疲れだったから、我々ではどうすることも出来なかったからな」


そういえば『あの時』たくさん現れたハンドくんたちは?


『この部屋の換気をしていたり、綺麗に掃除をしてたわよ』


『掃除と同時に監視魔法の解除とか』


『魔法アイテムの無効化とか』


『ほーんと』


『『『『賢い子たちよねー!!!』』』』



まったくです。




「どのくらい寝てました?」


「2日間よ」


貴重品ボックスを確認すると、魔石は305個。

そりゃあ疲れるわ。


「私の体内の浄化、してもらってたんですよね」


ありがとう御座いますと言ったら、創造神が目を丸くした。

だってあれだけの数を浄化し続けたのだから、それ相応の(おり)が体内には溜まったはず。

それが『たった2日』で回復するとは思えない。


「浄化は身体に負担がかかる。無茶はしないように」


「言っても無駄だと思うが」との呟きも聞こえたが、聞かなかったことにしよう。



それでドリトスたちは?


『獣人は何度も部屋の前に来てるぞ』


『部屋全体に結界を張っているから、中には入れないし』


『魔法アイテムは無効化してるから、中の様子は確認出来ないし』



「それに関しては、レイソルたちに(ばち)を与えておいたから心配はするな」


・・・何をしたんでしょう?


「なあに。『死んではいない』から気にするな」


気にはなるけど。

気にしないでおきましょう。



「・・・ああ。我らは一旦下がろう」


ん?誰か来ました?


「ああ。獣人とドワーフが此方に」


じゃあハンドくん。と目を向けたら、グッドサインを見せてくれた。


『ほーんと賢い子よねー!』


神々からの人気が高いわね~。

でもハンドくんは『私だけのお世話係』なんだからね。

誰にも『譲らない』んだから!




「・・・もう具合は良いのか?」


セルヴァンはハンドくんに部屋へ招かれた時は勢いよく飛び込んできたけど、私を前にしたら耳が垂れてるよ。

ドリトスの笑顔は、あまり変わらないように見えるけど。

それでもやっぱりちょっと違うかな?

表情が固い気がする。


「よく寝たから大丈夫です。疲れただけだから」


だから心配しないで?と伝えると、セルヴァンに抱きつかれた。

よっぽど心配してくれていたんだね。

ドリトスを見ると、さっきと違いニコニコしている。


『まるで飼い主に懐くペットだな』


確かに犬ですね。


『犬だな』


『犬ですね』



「今日はゆっくり休んで、明日にでも改めて話をしようかね」


ほら、ワシらはレイソルたちに明日の準備をさせるぞ。

ドリトスは、私から離れようとしないセルヴァンを引き摺って、部屋を後にした。


「あのドワーフは、我らの存在に感づいていたようだな」


それって気配?・・・じゃないわね。

それだったら、今までもチャットやってるときに気付いていただろうし。



『空気・・・かしら?』


『少し前まで私たちが居たから』


『神殿と同じ『清浄』になってたかしら?』


確かにあれだけたくさん居たなら、この部屋は『神聖化』してたでしょうね。

・・・『この方』も居たし。


「オレか?」


はい。貴方ですよ。創造神さま。






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