第131話
さくらはドリトスに膝だっこされた状態で、神々が部屋同士を繋ぎ終わるのを待っていた。
マンションの部屋はさくらの世界と繋がっている。
それは『空気』も同様だ。
さくらには問題がなくても。
ハンドくんたちに問題がなくても。
神々にも問題がなくても。
ドリトスたちには『毒素を含んだ空気』となるらしい。
ちょうど、この世界の空気が『さくらにとって害があった』ように・・・
それを神々がドリトスたちも一緒に過ごせるようにしてくれるそうだ。
そうしたらその部屋でさくらを回復させたい時も皆と一緒にいられるようになると説明された。
それを聞いて一番喜んでいたのはヨルクだった。
ヨルクは『閉鎖された空間』にさくらを連れ去られて、二度と会えなくなるのを怖がっていたからだ。
ヨルクの気持ちを知っているドリトスは、ヒナリから「本当に『さくらバカ』なんだから」と呆れられるヨルクに苦笑するしかなかった。
『さくらは『おバカ』なの?』
『さくらバカ』という言葉に、さくらは『自分がみんなからバカと思われている』と思ってしまったようだ。
不安そうな目でドリトスを見る。
そんなさくらを抱きしめて頭を撫でながら「ヒナリはさくらをバカにした訳じゃない」と話す。
それに気付いたヒナリとヨルクも慌てて『さくらが大切だから誰より何より優先するんだ』と必死に説明する。
でもさくらには『言い逃れ』のようにしか聞こえず・・・
ドリトスの腕の中で目を閉じた。
ドリトスがさくらの背を軽く叩きだして、眠ったことに気付いたヒナリとヨルク。
ハンドくんたちから『さくらを悲しませた罰』として『結界の中』に閉じ込められてハリセンを受けた。
2人は後ほど『さくらはおバカなの?』と聞かれたセルヴァンから、更に『ゲンコツ』を落とされるのだった。




