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第128話




ヒナリと『さくらの話』をしているだけで、セルヴァンの怒気は急激に冷めていく。

その様子に3人の子供たちは驚きを隠しきれなかった。

今はヒナリが訪室する前と比べると雲泥の差。

ごく(わず)かの怒気を残すのみだ。

しかし、それでもさくらにとっては『危険レベル』だった。



ベロニアと妹のアムネリアが退室しようとしたヒナリを呼び止める。


「ねえヒナリ。『さくら様』ってどんな方なの?」


「『どんな』って?」


「だって貴女たち『すべてを投げ出して選んだ』じゃない」



興味本位でさくらの事を、根掘り葉掘り聞き出そうとヒナリを引き止める娘たちに、後ろから鉄拳を振り下ろしたセルヴァン。

少しは手加減したのだろうが、それでも『先ほどより』『息子より』『多少は』程度だ。


「ヒナリ。もう戻れ」


「はい」


ヒナリは一礼して扉に手をかけたが、振り向いて幼馴染みの姉妹をまっすぐ見る。



「さくらは私とヨルクが出会った『雛』よ。すべてを・・・生命を投げ出してでも護りたい、かけがえのない『大切な存在』だわ」



ヒナリのまっすぐな目に驚くベロニアとアムネリア。

それと同時に『言葉の意味』を理解して青くなる。

「さくらに『何か』したら幼馴染でもタダでは済まさない」と宣言したのだ。




ヒナリが去った扉を見つめて深くため息を()く。

父や幼馴染みがこれほどまでに『大切な存在』という『さくら様』に興味を持った。

一度でいい。

『会ってみたい』『話してみたい』と思った。

それと同時に『すべてを投げ出して生命をかけて護りたい存在』に出会えたことを『羨ましい』とも思った。





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