第125話
「もう大丈夫みたいね」
外の様子を感じ取っていた女神は、さくらを抱きしめてからドリトスに預けた。
・・・ありがとう。エアリィ。
心の中でお礼を言うと「どういたしまして」と頭を撫でてから姿を消した。
ドリトスに抱かれてリビングへ向かう。
座卓近くの畳に座ったドリトスに『膝だっこ』されていると、すごく安心出来るのは何故だろう?
「さくら。さっきは『頭がクラクラする』と言っておったが。今はどうだね?」
『うーん・・・だいじょーぶ?』
私の『疑問符付き』の返事に苦笑するドリトス。
ヒナリが心配そうな表情で頭を撫でてくれる。
「さくらの『大丈夫』は信用出来ない」
『それ。前にも言われたー』
頬を膨らませるさくら。
さくらが高熱を出していた時のセルヴァンの言葉だ。
・・・あれが『呪い』のせいだと気付かなかった。
思い出すだけで後悔が押し寄せる。
『ドリぃ?』
心配そうに見てくるさくらの額に手をあてる。
簡単な『治癒魔法』をかけると、さくらは目を丸くした。
「どうかね?」
『スッキリした〜』
「良かったわね。さくら」
『うん!ありがとー。ドリぃ』
笑顔で喜ぶさくら。
ヒナリも嬉しそうにさくらを撫でる。
『クラクラする』と言ってたから目眩だろうと思ったが、どうやら『その通り』だったようだ。
『大丈夫』以外の言葉も引き出せてドリトスは安心したのだった。




